植物生命科学実習(5/17,5/24,6/27)

 5/17から6/27にかけての植物生命科学実習3回分で、ネコブセンチュウの接種試験を行い、線虫という生物のライフサイクルを観察しました。(担当教員:浅水先生)

「ネコブ」という名前が表す通り、この線虫は植物の根にこぶを作ります。

植物はこぶのせいで土から水分や栄養分を十分吸い上げられず、弱ってしまいます。

実習では、まずネコブセンチュウに寄生されたトマトの苗木から、線虫を回収します。


洗った根を、タンパク質が染まるブリリアントブルー水溶液で染めて、卵がたくさん入っている「卵のう」という組織を着色します。


ここから卵のうだけを取り、水で湿らせたガーゼに並べてセンチュウを孵化させます。

一週間後、孵化したセンチュウを観察しました。


液量あたりの線虫数をカウントし、100頭~300頭になるようにトマトの苗木に接種します。

接種してから5週間後、根に付いた卵のう数をカウントします。

 更に卵のうを次亜塩素酸ナトリウム溶液で卵のうのゼラチン質を溶かして、卵を観察しました。


卵のう1個あたりの卵数を算出し、接種頭数から増殖率を求めました。

線虫の増殖度合いに驚きの声があがっていました。


考察では、各班で得られたデータを集計し、接種頭数による増殖率の差のt検定を行います。5月に植物生命実習で学んだ統計用プログラミング言語「R」を使用し、自分たちの実験のデータで統計を行う、という卒論研究に向けた実践的な学習となりました。


                                        (辻村)