6/28と7/4の植物生命科学実習では、線虫に寄生されたトマトのネコブのパラフィン切片の顕微鏡観察を行いました。(担当教員:浅水先生)。
先日ブログに上げたネコブセンチュウの卵のうを採取した時に一緒に切り取ったネコブを材料にして実験を進めます。
左下の拡大写真で、青いところが卵のうです。線虫の卵が入っています。
卵のうがついている根のところがぷくっと膨れており、これがネコブです。
この中でメスの線虫が成長し、卵を産みます。
本実習ではこの線虫の様子を観察します。
集めたネコブをパラフィンワックスの中に埋め込む「包埋」という作業を行います。
(この過程は教員で行いました。)
これを薄く削って切片を作ります。
切片を作るのはミクロトームという専用の機械で行います。
ネコブが包埋されたブロックを固定し、ハンドルを回して削っていきます。
薄く削った切片が連なったものが得られれば成功です。
組織を連続して切断しており、CTのように断面を観察することができます。
この切片を数枚分切り取ってスライドガラスに載せて、パラフィンを溶かして固定します。
スライドガラスからパラフィンを抜くため、ガラス壺に有機溶媒を入れてスライドガラスを漬けます。
ガラス壺の溶液を次々に交換し、最後は染色を行います。
出来上がったスライドガラスを光学顕微鏡で観察しました。
線虫は見れたでしょうか?
ネコブの断面です。ここにはセンチュウはいないようですね。。
いました!中央の灰色のところがメスのネコブセンチュウです。
センチュウの中に楕円の卵があることが観察できました。
(辻村)