食肉処理施設におけるHACCP導入(講演)

2022年6月23日、「食と農の安全安心論」という講義のゲストスピーカーとして、京都市中央卸売市場第二市場(京都中央食肉市場)の林先生にお越しいただきました。ご講演の様子は、本学ニュースセンターでも紹介されています(ここをクリック )

林先生は、京都市の職員です

京都はすき焼き・しゃぶしゃぶ発祥の地と言われ(諸説あります)、明治維新以降いち早く食肉文化が根付いた土地の一つであり、現在でも牛肉の消費額は全国一として知られています。京都中央食肉市場では、全国から出荷されたトップクラスの和牛が衛生的にと畜・解体され、セリにかけられて消費者に届けられています。

受講生はこれまで実習や講義でキャンパスのお隣にある青果・水産の卸売市場については学んでいましたが、食肉の生産・流通については初めて聞くお話も多かったのではないかと思います。ご講演では、牛肉・豚肉の生産・流通の仕組みと卸売市場の役割についても詳しくお話しいただきました。

京都市中央食肉市場では、改正食品衛生法によって制度化される以前から、HACCPの導入に取り組んでおられます。そのきっかけは輸出への対応で、現在(令和4年7月)でも中央卸売市場のなかで米国・EUへの輸出に対応しているのは京都市中央食肉市場だけという状況です。お話のなかでは、HACCP導入の経緯や具体的な衛生管理の内容に加えて、アニマルウェルフェアへの配慮などの先進的な取り組みもご紹介いただきました。

受講生からの質問

「講義を通して、私たちが普段何気なく食べているお肉はさまざまな人々の細心の注意によって成り立っていることに改めて気づかされた」、「ここまで細かくやっているとは知らなかった」など、普段馴染みのない食肉の流通過程とその衛生管理のあり方に学生は興味津々の様子でした(山口)。