筑波大学訪問&研究交流会

 この夏休みに、多細胞免疫動態研究室(別役研)の有志4回生、研究員とともに、研究室の共同研究者が多く在籍されている筑波大学を訪問しました。


まず、微生物研究で有名な野村研究室を訪問し、研究室の見学に加え、野村暢彦先生とお話しさせていただきました。つい昨年までERATOという大きなプロジェクトを動かしていた研究室で教授室も龍大とは雰囲気がかなり異なります。珍しい高価な機器もたくさんあり、まるで研究所のような雰囲気の中、学生も少し緊張していたようでした(?)が、野村先生はとても気さくに4回生に「(龍大の)研究室はどんな感じ?」などと話しを盛り上げてくださって、理系学生の心得などをざっくばらんに話してくださいました。

野村研究室で野村先生はじめ、関係者の皆さんと
(マスクは写真の時のみ外しています)

その後、植物病理学の石賀康博先生を訪問し、石賀グループの学生・研究員らと別役研の学生、研究員らでそれぞれ研究交流会を行いました。コロナ禍もあって、なかなかこのような機会が作れなかったのですが、小規模ながらようやく可能になってきました。普段のゼミ活動を頑張ってきたおかげか、参加学生はしっかり発表スライドを準備してきて、堂々と発表してくれました。石賀先生や石賀グループの研究員・学生さんらからもいろいろな質問、コメントをいただいて、きっと得るものも大きかったと思います。石賀グループの研究員・学生さんらの発表にも頑張って質問して議論が盛り上がりました。石賀グループの4回生がたくさんのデータに基づいた素晴らしい発表をしてくれましたが、同学年ということで参加学生たちも感じることが多かったようです。自分の研究室に閉じこもると視野が狭くなりがちですが、(同じ学問分野の研究でも)異なる研究室との交流はいろいろと新鮮だったのではないでしょうか?


参加学生の発表の様子(左下写真の隅に石賀先生の頭が)


そして翌日には、トマトの育種研究で有名な江面浩先生を訪問し、江面研究室の屋外トマト栽培施設や広大な筑波大学の農場を見学させていただきました。江面先生はそのまま空港に向かって海外ご出張という日だったのですが、1時間以上に渡って、某国際学会で招待発表された内容を学生向けに紹介していただきました。ゲノム編集で一躍有名になったGABA高蓄積トマトの話など、農作物の育種と遺伝子組換え、ゲノム編集に関して、基礎的な技術の話から利用ルール策定、そして世界の食糧事情の話まで、とても広い視野でさまざまな事柄をご紹介いただきました。盛りだくさんでしたが学生も普段見せない(?)集中力で話に食らいついて、積極的に質問もしていました。

江面先生(右端)のお話を伺っています


理系の4回生ということで、大学院進学か就職か悩む時期ではあるのですが、自分の将来や進路を考える時に重視すべきポイントや近視眼にならないように、と言ったお話までしていただいて、参加学生も心に響くことがいろいろあったようです。

筑波大で参加学生と


また、今回お会いした3名の先生方は、何の偶然か、実験の話になるとそれぞれ言葉は違うのですが「実験対象に対する愛の深さが大切」という内容を共通して語っておられました。植物や微生物を丁寧に育てるのはもちろんのこと、ただ作業として行うのではなく、きちんと「愛」を持って日々観察しながら育てることで大事な変化に気づく、などといったお話です。参加学生の間では瀬田に戻ってからも「実験に対する愛」がしばらくキーワードになっていましたが、このまま一過的なブームに終わらせず、研究室の他の学生にも広めてほしいと思います。駆け足での訪問となりましたが、この経験を大切にして卒業研究に取り組んでほしいと思います。

【参加学生の感想】

自分は今までゼミ内での発表しか聞いてきませんでした。しかし今回の訪問で他大学の年の近い人の発表を聞いて、自身の発表の説明の少なさであったり、実験に対する想いの低さを感じ、自分のやる気を奮起させられました。


筑波大学の学生さんたちの発表を聞くことで自分には研究に対する知識や準備が足りていないことを痛感しました。また野村先生や石賀先生、江面先生のお話を聞く中で研究に対して愛を持って取り組むことが大切だということを学びました。12月の卒業論文に向けて愛をもって研究を行っていきたいと思います。


筑波大学での経験から、自身の研究に対する思いがより強くなりました。野村先生、石賀先生、江面先生からのお話や筑波大学の方との交流はとても新鮮で興味深く、私の琴線に触れるものとなりました。今回の経験で得たことを心に留めて、今後の研究に取り組んでいきたいと思います。

(別役)