【生命科学科・授業シリーズ】No.5 「遺伝学I」

   【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます】

大学ではどんな学びがあるんでしょうか?このブログでは、毎週、最も大学らしい授業である実習(実験)について紹介してきています。それ以外に、座学でもたくさんの大学ならではの専門的な授業があります。そんな中から、受験生の方々向けに生命科学科の教員が担当する授業を一つ一つ紹介していきます!


「遺伝学I」は主に1回生が受講する講義です。遺伝(heredity, inheritance)とは,親の形質が子に伝わることです。この現象を研究する学問領域が遺伝学(genetics)です。生命科学科では「遺伝学Ⅰ」が必修科目に位置付けられています。火曜日の3講時目と金曜日の1講時目の2クラスに分けて開講されており(講義内容は全く同じ),生命科学科の学生に加え,農学科の学生も受講可能です。2クラス合わせて,約250名が受講しています。

初回の講義後のアンケートによると『遺伝って1:2:1ってやつでしょ?』『高校で遺伝子の話がよくわからなかった』『品種改良に興味がある』という受講生が多いようです。「遺伝学Ⅰ」の講義では①細胞分裂(特に減数分裂)を理解する,②メンデル遺伝学を理解する,③遺伝を支配する物質が染色体を構成するDNAであることを理解するの3つを目標にしています。龍谷大学農学部では遺伝・育種に関する専門的な講義がたくさん開講されていますが,「遺伝学Ⅰ」はこれらの講義の最も基礎になるものです。

高校で生物が未履修であったり,大学入試で生物を選択しなかった受講生も多くいます。少しでも学生の理解が深まるように,最初は講義に関連する歴史的な流れの紹介から入るようにしています。



講義資料から 

メンデルがエンドウマメの交配実験から遺伝の法則を発表したころ,日本ではちょうど幕末の動乱期でした。思ったよりも昔の出来事と感じるか,意外と最近の出来事と感じるか,学生の皆さんの感想が違っているのがおもしろいです。

講義の途中では5分程度の休憩時間をとり,毎回3つの作物の学名の紹介を行っています。1回の講義ではたった3つだけですが,全講義終了後には45種になります。「遺伝学Ⅰ」の講義が終わるころには,「食の循環実習」で栽培する作物やスーパーの野菜売り場に並んでいるほぼ全ての作物の学名がわかるようになっているはずです。(遺伝学とは関係ないかもしれませんが)身近な作物を何気なく学名で呼べたら農学部の学生らしくて,ちょっとかっこいいですね。


みなさんが受講してくれる日が来るのを待っています!!


(竹中)