【生命科学科・授業シリーズ】No.6 「微生物学I」

    【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます】

大学ではどんな学びがあるんでしょうか?このブログでは、毎週、最も大学らしい授業である実習(実験)について紹介してきています。それ以外に、座学でもたくさんの大学ならではの専門的な授業があります。そんな中から、受験生の方々向けに生命科学科の教員が担当する授業を一つ一つ紹介していきます!


「微生物学I」は主に2回生が受講する講義です。微生物というと、どのようなイメージをもちますか。病気の原因になったり、食中毒の原因になったりするような悪玉の生き物をイメージされる方も多いと思います。現在でも、マスクをしなければならない状況が続いています。それは、新型コロナウイルスの感染防止のためですね(生物学的に言うと、ウイルスは微生物には含まれませんが、病気を引き起こすという意味では類似しています)。たしかに、微生物やウイルスが原因となる病気、すなわち感染症はたくさん存在しています。


その一方で、私たちの生活を支えてくれるような善玉の微生物も存在しています。たとえば、酵母や乳酸菌とよばれる微生物は、パンやヨーグルトなどの発酵食品をつくるのに必要です。麹菌(こうじきん、と読みます)というカビの一種は、味噌や醤油の製造で中心的な役割を果たしています。また、私たちの腸内では、乳酸菌やビフィズス菌という微生物が極めてたくさん存在していて、身体の調子を整えてくれているのです。



微生物は、善玉、悪玉、そのどちらでもないものなど、幅広い生物の集団です。したがって、大学の様々な学部で微生物に関する教育・研究が行われています。医学部や薬学部などの医療系の学部では、主に悪玉微生物に関することを学びます。一方、農学部では、主に人間の役に立つ善玉微生物について学びます。ただし、植物に対して害を及ぼすような植物病原菌は農学部で学ぶ領域です。善玉微生物を学ぶにしても、悪玉微生物を学ぶにしても、その基礎になる知識は共通です。そのため、「微生物学Ⅰ」では、微生物に関する基礎的な部分を学習してもらうように設計しています。

微生物学Ⅰで学習した事項を下敷きにして、卒業研究では、さまざまな微生物に関する研究をして頂きたいなと考えています。


みなさんが受講してくれる日が来るのを待っています!!


(島)