多細胞免疫動態研究室(別役研)では、植物と微生物の相互作用を研究しています。
こういった分野は、一般には植物病理学と呼ばれ、農作物を病害から守るための研究分野です。この研究分野ではみなさん、いろいろなやり方で農作物を病害から守ることに挑戦しているのですが、別役研では特に植物と微生物の相互作用のしくみを明らかにするという基礎的な研究をおこなっています。実験ではほとんど野外に出ることのない研究室ですが、実際にどのような植物病害が世の中では問題になっていて、どのような対策が講じられているのかを知っておくことはこの分野を学ぶ学生としてとても重要だと思います。そこで、折に触れてそのような現場に触れる活動を行なっています。
国内の農業生産を病害中から守るための重要なステップとして、国際空港等での検疫という作業があります。今回は、関西空港に置かれている神戸植物防疫所関西空港支所を見学させていただく機会を得ました。当日は別役研の中でも植物防疫所での仕事に興味がある3・4回生6名と、同様に植物防疫所に興味がある塩尻研の学生1名の計7名で訪問しました。
参加者一同、関西空港支所(合同庁舎)の入口で
当日は、植物防疫所職員の方々のご厚意で半日程度のお時間をとっていただき、施設はもちろん、実際の検疫作業の様子、病原微生物や害虫の同定作業のようすを見学させていただきました。さらに見学後は職員の方々に質問させていただくお時間も頂戴し、参加学生からも業務内容から職場環境まで多岐にわたる質問が出て、職員の方々からさまざまお話を聞かせて頂くこともできました。
コロナ禍も収束しつつあり活気を取り戻してきた関西空港駅ですが、派手な空港の裏側という普段は行かないような(そもそも特別な許可と案内がなければ立ち入れない)場所で、黙々と国境での検疫作業を行なっておられる現場を見学させていただくという貴重な機会になりました。参加学生も、植物の病害を防ぐという仕事の意義や将来の可能性を考える良い機会になったかと思います。最後になりますが、今回の見学をご対応いただきました、神戸植物防疫所関西空港支所の皆さまに、貴重な機会をいただいてどうもありがとうございました!
(別役)