日本育種学会第144回講演会で発表しました(生命・小野木研)

 9月16~17日に神戸大学で行われた日本育種学会第144回講演会において、当研究室(生命データ科学研究室)4年生の石橋朋大さんがポスター発表を行いました。演題名は「SHAPを用いたQTLおよびエピスタティックQTLマッピングについての検証」でした。

学会風景を撮り忘れたので、学会から帰って研究室前で撮った画像を載せておきます。お疲れ様でした。


演題名は聞きなれない言葉が多いかもしれませんね。

「QTL」は「量的形質遺伝子座」のことで、人の身長や体重、作物なら収量や草丈など、生物の連続的に分布する性質(量的形質)を決定する遺伝子のことです。そして「エピスタティック」とは、QTL間(遺伝子間)の交互作用のことです。どのような遺伝子群が作物の収量を決めているか、そしてどの遺伝子間に交互作用があるのか、は遺伝学・育種学における一大関心事です。

そのような問題を解くために、本研究では「SHAP」という機械学習で近年利用されている技術を用いました。これはゲーム理論に由来する技術で、プレイヤーが協力してゲームを解いて報酬を得るときに、各プレイヤーとプレイヤーの組合せがどの程度報酬に貢献したかを表す指標です。本研究ではプレイヤーを遺伝子に見立てて、遺伝子と遺伝子間の交互作用の検出に用いました。結果として、特に遺伝子間の交互作用を検出することに既存手法より高い性能を発揮しました。

ポスター発表は1時間でしたが、次々と質問を受けて盛況だったようです(質問して頂いた皆様ありがとうございました)。うまく答えられなかった質問も多かったようで、卒業に向けてさらなる勉強を心に決めたようでした。

会場となった百年記念館からの眺めです。きれいな眺めの中、熱心な議論がいたるところで行われていました。

                                     小野木