昨年度卒業した研究室2期生の小田大輝さんの研究成果が論文としてJournal of Animal Breeding and Genetics誌に掲載されました。
Assessing the predictability of racing performance of Thoroughbreds using mixed-effects model(混合効果モデルを用いたサラブレッド競走能力の予測可能性についての検証)
Daiki Oda & Akio Onogi(小田大輝・小野木章雄)
http://doi.org/10.1111/jbg.12822
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競走馬(サラブレッド)の競走能力や成績も、ある程度は遺伝によって決まることは古くから知られていました。しかし競走能力がどの程度予測可能か、つまりデビューする前や生まれたばかりの時点でどの程度予測できるのか、についてはあまり検証されていませんでした。
そこで本研究では混合効果モデルという統計学的手法を用いて、血統からそれがどの程度予測可能かを検証しました。レースでの平均速度を競走能力の指標として用いた結果、予測値と実測値との相関係数は平均0.084、また重賞と呼ばれる賞金の高いレースの勝ち馬をどの程度予見できるかを検証すると、ランダムに選ぶよりは少し良いの結果となりました。
今回の検証では目覚ましい結果は得られませんでしたが、競走能力の指標の選択や手法の改善により、予測が正確になる可能性は十分あると考えています。今後も効率的な競走馬育種に向けて研究を続けていきたいと思います。
小野木