11月5日の日曜日、秋晴れの湖南市で、ウツクシマツの保全活動を行いました。
京都翔英高校の学生たち20名ほどと、滋賀県樹木医会、松を守る会、の20名ほどの皆さん合計40名ほどで、天然記念物指定された平松のウツクシマツ保全地域に入り、「地掻き作業」を行いました。天然記念物指定地域には勝手に入ることはできません。保全地域に足を踏み入れること自体、結構、レアな体験です。
この作業を行うことで、天然記念物のマツの実生が生じやすくなります。マツクイムシや線虫による成木のマツ枯れを防ぐと同時に、新しい実生を誘導し、松林を年月をかけて保全しようという計画です。
この作業の成果は、次年度の春に実生が現れることです。みんなの力で芽生えた実生は、地域の宝になります。
高校生たちはそれぞれのペースで参加してくれました。とてもありがたかったです。次は1月にもあるそうなので、引き続き、一緒に作業できればと思います。
ゼミの学生たちは卒論に向けての研究で忙しく、今回は誘えませんでした。次回なら卒論発表後なので参加してもらえるかもしれません。大学生の姿もぜひ高校生たちに見せたいところですし、ゼミ生にも湖南市の活動に参加してもらおうと思っています。高大連携と地域連携を一緒にできればいいなと考えています。
以下、順に写真を貼り、説明を付します。
(古本)
天然記念物指定されている領域の隣接地を歩きます。
隣接地で作業説明を受けました。
いよいよ保全地に登り、樹木医会の中西先生から「地掻き」作業の説明を受けます。
枯れ葉が降り積もった層には、ササの根が張っていて、これがなかなかの曲者です。すっかり表面を削りとり、このくらいに地面を露出させるとマツが発芽するようになるとのこと。複数の区画が定められているので、それぞれに配置し、作業を行いました。
若者たちより高齢者の方たちの方が作業がスムーズです。力任せではない体の使い方があるのでしょうか。
40分間の作業で、まだやり残しはあるものの、ずいぶんはぎ取ることができました。高校生の手にはマメができ、皮も破れており、一生懸命に取り組んでくれたことがわかります。
作業後は道具を片付けて、しばし休憩。ミカンやカキを頂きました。
ひき続いて、ウツクシマツの周りの植物を観察する「植物観察会」を開いていただきました。アカマンマ、マメアサガオ、ツユクサなどの花を観察し、クズやフジの蔓の巻き方などを教えてもらいました。ウツクシマツの樹形を間近にみ、一遺伝子変異による不思議な形を実感しました。
最後に記念写真を撮りました。
ウツクシマツの最寄りは草津線の「甲西駅」です。草津線は単線です。今日は、時節に合わない暖かい1日でしたが、やはり日の落ちるのは早くなりました。みなさま、本当にお疲れ様でした。