北海道十勝地域で調査実習を行いました

 2024年3月1日

2024年2月19日から22日まで、香川ゼミ恒例の北海道調査実習を実施しました。参加したのは3回生11名と教員1名です。主な調査先は畑作農家、JA、乳製品メーカー、穀物商社。毎日、朝から晩まで調査をしたので大変でしたが、学生達はとてもよい経験をしたようです。

訪問前が暖かかったようで雪は少なめでした


大規模畑作地域では珍しい施設栽培でパクチーやルッコリ等の新作物の生産に取り組んでいる農業経営。新作物導入に関わる意思決定のプロセスについて教えていただきました。需要と供給の状況、収益に占める経費の比率等を精緻に見定めておられました。また、自分の経営のことだけでなく他者への貢献も考えながら経営を実践していると言っておられました。



摘み取ってその場で試食、美味しい

地元で生産された馬鈴薯を菓子やコロッケ、デンプン等に加工しているJA。菓子やコロッケは有名企業のOEMです。一般的なJAとは異なり、事業の柱の一つは食品メーカー的なもの。これまで学生が持っていたJAのイメージを一新するような事例でした。食品メーカーへの就職を希望している学生にとっては、目から鱗であり、選択肢が一つ増えたようです。


全部ジャガイモですが、これでもほんの一部


有機栽培を組み込んだ経営を実践している農業法人。倉庫で車座になって話を聞かせていただきました。ここでも経営計算をとても重視しておられました。有機栽培による販売単価の上昇と収量の低下、経費の変動、販路拡大やマーケティングに費やす時間・労力、これらの組み合わせを考慮して生産量(作付面積)を決定しているとのことでした。


この日は寒かった


北海道産の原料にこだわった製品生産を行っている乳業メーカー。北海道の酪農経営を支援することを大切にしておられます。香料や余分な添加物等を使わず、原料のポテンシャルを最大限引き出すことに努力しておられます。製品の差別化や市場開拓についても教えていただきました。「凄い会社だ」という感想を持った学生が多数いました。



製品を試飲させていただきました

小麦の製粉や小豆の加工も行っている食品商社。この会社の小麦粉や餡は高級食パンや「おたべ」に使われています。「地域の農業を元気にすることで会社も発展できる」という理念を持ちながら、その他にも様々な新しい事業に取り組んでおられます。「この会社が近畿にあれば」という学生が多数。



この会社には毎回お世話になっています


現場の農業者の方々が授業で学んだ理論や概念を普通に使っていることに学生達は感心していました。当たり前といえば当たり前なのですが、大学の勉強が机上のものではなく、実学であることを改めて認識したようです。

また、農業の実態、農業と関連組織・企業との連携の実態を勉強することで、考えなければならない本当に大切なテーマは何であるのかについて大きなヒントを得ることができたようです。

ブドウ・ブドウ酒研究所の施設見学


今回の調査も帯広市経済部商業労働課の皆様に全面的にお世話になりました。帯広市の皆様、調査を受け入れてくださった皆様、本当にありがとうございました。

(文責:香川)