日本作物学会第257回講演会で発表しました(生命・小野木研)

32829日に三重大学で行われた日本作物学会第257回講演会において、当研究室(生命データ科学研究室)4年生の大河内翔巳さんがポスター発表を行いました。演題名は「ダイズの開花期における温暖化の影響」でした。

発表後にポスターの前で

 植物にとっていつ開花するかは、植物の環境適応に大きな影響を与えます。農業においては、その地域でいつ開花するかを予想しながら、栽培する品種を決定したり、いつ播種するかを決定したりします。また品種改良においては、標的とする地域で、いつ開花すればよいのかを考慮する必要があります。

 作物の開花期は温度や日長の影響を強く受けるため、地球温暖化の影響を強く受けます。しかし日本のダイズ品種において、温暖化が開花期に与える影響を、網羅的に調べた研究はありませんでした。そこで本研究では、温度と日長をもとに開花期を予測する数理モデルを用いて、温暖化する将来、ダイズの開花期がどのように変化するかをシミュレーション研究で明らかにしました。

 その結果、温暖化が開花期に与える影響は、品種によって傾向が大きく異なることが分かりました。例えば、ある品種群は地域によって開花期の早まり度合いが大きく変わる一方、別の品種群は地域によってあまり傾向が変わらない、といったことが分かりました。また播種期が早いほど、生育期間が延びる分温暖化の影響を強く受けることや、温暖化による開花期の早まりが、20502060年あたりで頭打ちになること、などが分かりました。

 大河内さんはpythonRを使いながら、このシミュレーション研究をしっかりとやり切りました。学会では45分間のポスター発表でしたが、終わってみると「あっという間でした」とのこと。学部生で学会発表することは大変なのですが、頑張っていたと思います。お疲れ様でした。

質問をしてくれた方に熱心に説明している様子

小野木