食料農業システム実習「香港フードエキスポ2024」研修での学び(前半)

2024年8月12~19日7泊8日の日程で、食料農業システム学科の学生9名と教員1名(金子)で香港へ研修に行きました。本研修には桃山学院大学の教員と学生も参加しました。

研修前半の具体的な内容を3年生の堀江さん、藤本さんに聞いてみたいと思います。

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香港到着後、地下鉄を利用して重慶大厦(チョンキンマンション)へ両替に行きました。まず、地下鉄のエスカレーターの昇り降りの速度が非常に速いことにびっくりしました。

金鐘駅で乗り換えする際、港島線(アイランド線)を降りたらすぐ向かいが荃灣線(チュンワン線)のホームで、乗り換え距離が短かったことも印象的でした。

研修2日目の朝は街市と呼ばれるローカル市場を訪問しました。


香港で展開するWelcomeというスーパーマーケットの商品に比べ、比較的安価で販売されており、肉はその場でカットし、量り売りで提供されていました。

鮮魚店では、多種多様な魚が陳列されていましたが、日本のようにPOPはつけられておらず、魚の名前や金額はわかりませんでした。街市では、購入者と販売者がコミュニケーションを取りながら取引を行うことが一般的なようです。

鮮魚店では生きたカエルも売られていました

その後、JETRO香港を訪問し、彦坂久美子様に香港における日本産食品の市場や状況についてお話を伺いました。

まず、現在、香港の人々が中国で消費を行う「北上消費」という現象が見られるとのことです。その理由として、中国の方がサービスが良いことや物価が安いこと等が挙げられます。

お話を伺って特に興味深かったのは、パンについてです。香港の昔ながらのパンは冷めると硬くなってしまうそうです。最近の香港では、日本産小麦を使ったモチモチのパンや、欧米式のパンを提供する高級ベーカリーが増加傾向にあります。しかし、子供の頃から食べ慣れている昔ながらのパンが美味しいと感じる人も多く、昔ながらのパン屋へのニーズも一定数存在するということでした。この点は一見すると当たり前のように思えますが、新たな気づきとなりました。

日本の食品を香港に輸出する際には、食感やジューシーさといった特徴を考慮し、相手に響く強みをしっかりと検討する必要があると感じました。

研修3日目は、香港の高級スーパーの一つであるCity’Superで市場調査を行いました。

日本アニメとのコラボ商品など、雰囲気や価格帯は異なるものの、日本産の食品が数多く販売されていました。

桃山学院大学の濱島先生のお話によると、山形県産の牛肉を販売しているのはCity’Superのみで、一般市場では鹿児島県産の牛肉が高い割合を占めているとのことでした。


新型コロナウイルスの影響から、香港人の健康意識が大きく変化し、健康志向の高まりが見られています。スーパー内では健康を意識した商品のブースが設置されており、市場からも健康意識の高まりを感じることができました。


City’Superでの市場調査後は、DONDONDONKIへ向かいました。店内は、日本でも馴染みある音楽が流れており、雰囲気が似ているだけでなく、生鮮食品や飲料品など日本産の食品が多く扱われていました。

日本酒の取り扱いも多く見られました。City’Superで販売されている商品と同じ商品がDONDONDONKIでも販売されていましたが、価格がかなり異なっていました。市場調査を通じて、各小売店がターゲットとしている顧客層を実感することができました。


フィールドワークを通じて、日本企業がどのような工夫を施して海外進出をさせているのかを自分の目で確かめることができました。店舗に置かれている商品の割合から現地の人々の食嗜好も理解することができ、この学びを今後の学習にも活かしていきたいと考えています。(堀江、藤本)


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研修前半でお世話になりました皆様、心より御礼申し上げます。(金子)

(後半に続く)