ハワイの農業体験実習第3日目以降はヒロで学習します。まずパパイヤ工場見学からスタートです。
一軒目はパパイヤ工場(パパイヤの選別、箱詰め)を見学しました。品質管理を大切にされており少しでも汚れや傷があるものは、もったいないが廃棄されます。それがお客さんの信頼を得る近道とおっしゃっていました。
アメリカ政府の指導の基、燻蒸処理を行い、ベルトコンベアーを利用して梱包されていきます。ここで重要なことは十分に糖度(12度)がのったパパイヤを、いち早くお客さんに届ける(空輸にてアメリカなら2日、日本なら4日後に食卓へ)とのことです。
二軒目はハワイ島ヒロにあるUSDA(アメリカ農務省)の研究所へ行きました。ここではパパイヤリングスポットウイルス(PRSV)病に対して抵抗性を示す遺伝子を使って改良されたパパイヤについて説明を受けました。この病気に罹ると、果実にリング状の斑点ができ、糖度が低下することで商品価値をなくしてしまう病害です。これはハワイのパパイヤ農業にとって危機的な状況であり、所得に関わる大問題でした(1990年代前半)。しかしこの技術を導入して、ウイルス病の増殖を防ぎ現在に至ります。ハワイ州の判断と農産物表示、栽培時の隔離などがさまざまな対応がされておりますが、日本に輸入されるパパイヤはフィリピン産(ハワイ産の価格の半分くらい)が多いようです。(明日はここでプレゼン発表です!!)
三軒目はアンスリウム農園(Green Point Nurseries)の見学です。この会社はアンスリウム、蘭、ショウガ、極楽鳥花、ヘリコニアなどたくさんの熱帯植物を生産出荷されています。ハワイ風土の美しさやロマンが、これらの草花に凝縮されており、それが需要に結びつくと気づき、アメリカだけでなく世界各地に展開されています。現社長は、お父様(創設者)を心から尊敬されており、家族継承もうまく行われているビジネスモデルであり、成功事例として学習になると思いました。さらにこの会社の開発部分として、ハワイ大学と連携して新品種を作っており、きれいな色、形を追求するなど創造的な経営をされているところも目を見張るものがありました。
四軒目はパパイヤ農場の見学です。ゲートを通って山の中を進み、マカダミアナッツ林、バナナ畑を抜けると、4エーカー(サッカー場4か所分)の壮大なパパイヤ農場があります。パパイヤは植え付けから6か月で花が咲き、1年で背の高さ以上に伸び収穫できます。3年で棒を使っても収穫できないほど伸びるので、3年で収穫終了とのことです。高いところにあるパパイヤの収穫方法は、右手で棒を持ち突いて果実を落とし、左手でキャッチするという熟練の技です。興味のある者は人手不足なのでぜひ手伝ってあげてください。
最後に最寄りのスーパーで私だけ物価賃金調査をしてきました(日本と比較が結構おもしろい)。なんとローストビーフ2.47lb(ポンド)=1.12kgで19.74ドル=2,860円(1ドル=144.88円2024/9/1現在)です。つまり、100g当たり約255円です。さすが農業大国アメリカ、これは安い。しかし、魚介類は高くマグロとエビとサケのお寿司が15.99ドル(約2、317円)。これはちょっと高い、冷凍の魚介類が多くどれも高いです。
密かにおすすめするのは、バナナです。1.57ドルで227円とそれほど安くはないですが、食べるとおいしく、甘いです。輸送上の問題とはいえ、日本のバナナはあまり味がないことがよくわかりました。
今日もハードな一日でした。明日は長い時間をかけて準備してきたプレゼンなのでがんばりましょう。
(中川@食料農業システム)