食料農業システム実習「ドイツスタディツアー」(後半)

ドイツスタディツアーの後半です。

4日目は、ヴァルトキルヒから車でカンデル山を越え、ザンクト・ペーター村へ。その途中で、風力発電と景観についての問題について説明を受けました。風車のある放牧地の風景は現代のドイツらしい景観ともいえますが、議論もあります。ザンクト・ペーター村では、木質チップによる温水と電気の供給(コジェネレーション)について説明を聞き、設備を見学しました。黒い森の豊富な森林資源を利用することで二酸化炭素排出削減を行う取り組みです。


その後、別の村に移動し、多角的経営を営む酪農家を訪問しました。ここでは、酪農の他、食事や宿泊の提供を行う、いわゆるアグリツーリズムを見学・体験、農家の伝統的な昼食をいただきました。




5日目の午前は、フライブルク近郊の森を歩きながら、ドイツの多機能森林業について学びました。午後は、コーディネーターの池田さんによるまとめのセミナー。4日間の見学の感想を出し合いました。



6日目は、ローカル線を乗り継いで、黒い森野外博物館の見学へ。ここは、黒い森地方の伝統的な農村の暮らしを保存・再現しています。農家だけでなく、水車を使った粉挽き、製材、鍛冶なども展示しています。




7日目は、午前にヴァルトキルヒを出発し、列車でバーゼルへ。バーゼル市内を少し観光した後、夕方、バーゼル空港から帰国の途につきました。この日も暑く、ライン川でたくさんの人が泳いでいました。


5年ぶりに実施したドイツスタディツアーでしたが、天候にも恵まれ、盛りだくさんのスケジュールを順調にこなすことができました。環境・まちづくり・農業・林業と、さまざまなことを学びましたが、見学先や街で出会ったドイツの人たちとのコミュニケーションに強い印象を持った参加者も多かったようです。5年前に引き続き見学先のコーディネートや通訳をお願いした池田憲昭さん、そして見学先で懇切に説明いただいた方々にあらためて御礼申し上げます。                             (竹歳一紀)