ロンドンの植物園を訪れました

ロンドンと聞くと、バッキンガム宮殿やウェストミンスター寺院といった古めかしい建築物を思い浮かべる人が多いでしょう。一方で、ハイド・パークをはじめとする公園や庭園、その規模の大きさもよく知られているところです。私が夏休みに訪れたキュー王立植物園(Kew Gardens)もそのひとつです。上に挙げた名所があるエリアから南西に外れ、地下鉄キューガーデン駅から住宅街を少し歩いた場所にあります。世界最大級の植物園ですが、もとはその名の通り18世紀に造られた庭園でした。そのあたりの時代を研究している関係で立ち寄ったものの、当時から残されている中国風パゴダなど、写真に撮りたかった建築物の多くが外装工事中という不運に見舞われました。古きよきものを大事にするイギリスではよくあることですね。さて、植物園と言われると文系研究者には敷居が高く感じられますが、実際に入ってみると、青々とした芝生が敷かれた、とてつもなく広い公園でした。しっかり見てまわるには1日では足りないくらいです。下の写真のように、色とりどりの花壇や畑、温室などの建物が点在していて、なんと日本庭園もあります。カフェやギフトショップ、子供向けアトラクションまであり、研究施設であることを忘れるほどで、とくに家族連れが多く見られました。世界各地から集められた4万種以上の植物たちに出会える贅沢さ(リスもあちこちにいます)、またイギリス特有のさわやかな夏に園内を散策する心地よさは格別です。植物好きの学生さんは(英語の勉強をしてから)一度訪れてみてはいかがでしょう。
photo & text: Ikuko Sasaki