学術雑誌に発表された論文は、さまざまな方法で評価されます。自然科学系で広く知られている評価基準に、Impact Factor(IF)があります。「IFの高い雑誌に掲載された論文が価値のある論文である」と著者は思いたいのですが、IFは雑誌の評価点であって個々の論文の評価点ではありません。そのため、IFの取り扱いには様々な批判もあります。他方、世界中で毎年多数発表される学術論文をビッグデータとして扱うことで、思いがけない分析も可能になります。10月初めに、ResearchGateから "Your article was the most read publication from your
institution" の知らせが舞い込みました。該当の論文は、2008年に発表した「カーネーション切り花の収穫後生理学」についての16ページの総説です。Fresh Produce という極マイナーな専門誌に掲載されました。この論文が2014年にResearchGateを介してアクセスできるようになり、その後の3年弱の間に856回のアクセスがありました。残念ながら "your institution" は龍谷大学ではなく、前任校の京都府立大学です。数年後には、農学部から "the most read publication
from Ryukoku University" が出ることを期待したいと思います。
text: Shigeru Satoh