旭堂南陵師匠のご逝去に際して

農学部2018年の人権研修会に、講談師の旭堂南陵さんをお呼びし、「芸能と人権」と題した講演をいただきました。
話に引き込まれ、芸能における人権について、新しい視座をいただくことができました。講談の口調に引き込まれたことを昨日のように思い出します。

今朝の新聞で、旭堂南陵さんのご逝去を知り、残念でなりません。

講演いただくご縁は、本農学部の佐藤龍子先生が取り持ってくださいました。講談の師匠であるという話でした。このご逝去の報に際し、佐藤先生から次のようなコメントをいただきました。

以下に引用し、改めてお悔やみ申し上げます。
(古本)

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昨夕連絡があり、驚くと同時に大変ショックを受けています。
7月上旬に病院に行ったら、すでにすい臓がんでステージ4だったようです。

初めてお稽古に行った時のこと、そこでの会話、仕草が瞼から離れません。
あの日からお稽古に行き、何度も寄席に通い、師匠の講談を聴きました。
新年は生玉大社で講談を聴くのが我が家の恒例でした。

南陵師匠は、寄席芸人として初めて博士号を取得した方。
博士論文を大宮図書館で借りて読みました。
視点も掘り下げ方も資料もよく、脱帽しました。
師匠はNHK朝ドラの出演、大阪弁の指導、また大阪芸術大学で教鞭もとっていま
した。
国立国会図書館にもない稀覯本を多数所有していて、
「時間ができたらこれを研究するのが楽しみなんだ」と、かねてから私には言っ
ていました。
おそらく70半ばからもっと本腰を入れて研究したかったのでは。
さぞや心残りだったと思います。

個性的でアクの強い人でしたが、
わたしなど足元にも及ばないほど博学で、研究熱心でインテリでした。
研究者といっても過言ではありません。

ご冥福をお祈りいたします…と今は素直に言えないのです。
まだ師匠の心残りの気持ちが、わたしの周りに漂っているから…。

皆様にお願いがございます。
このコロナ禍のなか、オンラインで講談をぜひお聴きくださいませ。
「個人メセナ」と勝手にわたしは命名しています。
大阪講談協会をググってみてください。
よろしくお願いいたします。
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