応用昆虫学研究室2期生の卒論研究の内容が、日本応用動物昆虫学会誌第64巻第3号に掲載されました。この論文は、「共生細菌を保持したホソハリカメムシの発育零点と有効積算温度から推定した年間世代数」というもので、産業技術総合研究所との共同研究で進めたものです。
水稲に斑点米被害を引き起こすホソハリカメムシは、幼虫期に土から経口的に共生細菌を獲得していることを示し、獲得した場合、幼虫期間、産卵までの期間が短くなることを明らかにしました。滋賀県でのホソハリカメムシの年間世代数は2世代であると報告されているのですが、実験条件下で、幼虫期に共生細菌を獲得させ、発育のパラメーターを測定し、滋賀県における年間世代数を推定したところ3世代であることが分かりました。
幼虫期に共生細菌を経口的に取り込んでいるカメムシ類について、発育に関するパラメーターを明らかにするには、野外条件を再現するために飼育時に圃場の土を与えるなどの操作をして、共生細菌を保持させることが重要であることを示しています。(応用昆虫学研究室:樋口)