たった一つのアミノ酸の変化で別の酵素に?!

 当研究室では,酵素の働く仕組みについて研究しています.ある特定の酵素は決まった化学反応を触媒します.酵素は,アミノ酸がつながったタンパク質からできていますが,一つ一つのアミノ酸には意味があるようです.今回は,ヒスチジンからヒスタミンを合成するヒスチジンデカルボキシラーゼの活性中心のチロシン残基をフェニルアラニン残基に変えるような変異を起こさせました.この変異させた酵素は,本来はヒスタミンを合成する酵素でしたが(図の右向きの反応),アセトアルデヒドを合成するようになりました(図の左向きの反応).不思議ですね.Archives of Biochemistry and Biophysics693 (2020) 108551に掲載.

(生化学・応用微生物学研究室,植野)

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