イネカメムシの越冬場所

 水稲やダイズを加害するカメムシ類は、成虫で越冬する種が沢山います。しかし、成虫の越冬状況や越冬場所については、ほとんど明らかにされていません。最近、水稲で発生が増え被害が報告されているイネカメムシについても同様で、越冬場所については、1950年代に数例報告されているだけです。その内容も、土の中に潜っているとか、標高の高い場所に移動して越冬しているというようなものでした。応用昆虫学研究室第2期生は卒業研究でこの課題に取り組み、越冬しているイネカメムシ成虫を確認しました。イネカメムシの成虫は、水田畦畔の枯れたイネ科植物の株元や、雑木林内の日当たりの良い草地の枯れたイネ科植物の株元で越冬していました。このイネカメムシの成虫については、春の餌植物や生息場所についてもほとんど分かっていません。応用昆虫学研究室では、これらの点についても研究を展開していく予定です。(応用昆虫学研究室:樋口)