カメムシの卵に寄生するハチ

  クモヘリカメムシは、イネが出穂してくると穂から汁を吸い、米の品質を著しく低下させる害虫です。クモヘリカメムシにかぎらず、カメムシ類は比較的天敵の少ない昆虫ですが、天敵に一番よく攻撃される発育段階は卵期です。

カメムシの卵には、その卵に寄生するハチがいます。このハチは、カメムシの卵に寄生しますので、卵寄生蜂と呼ばれています。卵寄生蜂は、カメムシの卵の中に卵を産みこみ、カメムシの卵の中で孵化した幼虫は、カメムシの卵の中の養分を餌にして成長し、成虫のハチがカメムシの卵から羽化してきます。

 応用昆虫学研究室でクモヘリカメムシの卵寄生蜂を調査した結果、4種類の卵寄生蜂がいることが分かりました。現在、4年生が卒論研究で、卵寄生蜂のクモヘリカメムシ卵に対する寄生率の推移を調査しています。

クモヘリカメムシ

クモヘリカメムシの卵

クモヘリカメムシの卵から羽化した卵寄生蜂
(応用昆虫学研究室 樋口)