「1期生と2期生の卒業研究が論文になりました」



"Effects of weathering and silicic acid uptake by rice plants on weathered products-Quantitative changes in potassium, silica, and aluminum in granitic Fluvisol." Soil Science and Plant Nutrition (2021): 1-7.

この論文は2年間の牧圃場の水田とその土を使ったポット栽培試験で,無施肥の状況でカリウムとケイ酸の土壌(+潅漑水)からの供給量とイネの吸収量の収支から,イネが土壌中の鉱物を壊していることを明らかにしたものです.イネは鉱物を壊し,自身の養分になるカリウムとケイ酸は吸収してしまいますが,鉱物中のアルミニウムは土壌に残ります.アルミニウムは周囲の有機物と結合して難分解性炭素(腐植)になったり,イネが吸収しなかったケイ酸と結合して粘土になります.言い換えると,カリウム肥料を減らすと,イネは土壌に炭素を固定し,温暖化対策に貢献してくれるのです.

論文には書けないけれど,毎週潅漑水を汲みに牧圃場に通ったり,根のまわりの土を採取した後,刷毛で採集したり,まさに「泥だらけ」になって頑張りました.

(土壌学研究室 森泉)