資源生物科学科(2023年度から農学科)を志望する皆さんへ⑫〜古くて新しい農業資材「籾殻(もみがら)バイオ炭」が地球を救う!?〜

稲作が中心の日本では、毎年約160万トンもの籾殻(もみがら)が排出されますが、その約3分の1は有効に利用されていません。日本では古来より籾殻を炭化させ籾殻バイオ炭(籾殻くん炭)を作り、土壌改良剤として利用してきました。籾殻バイオ炭を利用することによって、化学肥料や農薬の使用量を抑え、環境への負担を減らすと考えられていますが、あまり研究が進んでいないのが現状です。最近、特に注目されているのは、地球温暖化の一因である二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする「CO2ゼロエミッション」に貢献できることです。籾殻バイオ炭は土壌の中で分解されにくいですので、光合成によって取り込んだ二酸化炭素を土壌中に留めておくことが期待されているのです。籾殻バイオ炭の機能を明らかにして、地球を救いたい(少しオーバーですが)、そんな思いで研究しています。

(植物栄養学研究室:玉井)


籾殻炭化装置(あいとうエコプラザ菜の花館)

籾殻バイオ炭は袋に詰めて販売されています

籾殻バイオ炭の量を変えてコマツナを栽培