6月9日の実習は、ネコブセンチュウの寄生率・増殖率の調査と制限酵素を使って種の判別を行いました。2カ月前の実習で卵のうを集めてセンチュウをふ化させ、そのセンチュウをトマトの苗に接種したのを覚えていたでしょうか? 怪しかったですね(資源生物科学実習B ①)。接種後約2カ月でどれだけトマトに寄生したか、卵のうを染色して数え、接種頭数から寄生率を求めました。また、卵のう1個当たりの卵数を顕微鏡で観察し、増殖率を算出しました。増殖率が数百,数千%という普段見慣れない数値に計算が合っているか不安そうにしていましたが、それだけセンチュウの増殖力は凄まじいということですね。
一方で、同じく2カ月前の実習で抽出して保存しておいたセンチュウのDNAを、制限酵素を用いて切断し、電気泳動で現れるバンドの違いから種の判別を行いました。一か所だけ切れていつも2本になる(または切れずに1本)わけではありません。今回は4本のバンド(サツマイモネコブセンチュウ)が見られたのではないでしょうか。サンプルによっては3本見られた人もいましたね。
センチュウはあまり身近に感じない人もいるかもしれませんが…余談です。近年インドネシアから輸入されているブゼファランドラというサトイモ科の植物から「バナナネモグリセンチュウ」が立て続けに検出され、輸入が一時停止になりました。”バナナ”なのにサトイモ科に付く…不思議ですね。もともと人気だったこの植物は今現在もの凄く高騰しており、センチュウとはいっても、特にアクアリウムを楽しむ人たちにとって他人事ではありません。
山本