4月の末に組織培養用の培地を作り(資源生物科学実習B ②)、セントポーリアの葉を移植して1カ月ちょっとが経ちました。6月10日の実習では、この時移植した組織片の観察を行いました。カルスが増殖しているもの(脱分化)、不定芽や不定根の形成が起こっているもの(茎葉や根の細分化)など、いくつか観察できたと思います。また、移植した培地中の植物ホルモンも異なる2種類を使用しました(NAA;ナフタレン酢酸、BA;ベンジルアデニン)。これらの違いはみられたでしょうか。NAAでは不定根(ルート)が、BAでは茎葉(シュート)が形成されている様子がみられたと思います。
一方で、一部の人はコンタミ(微生物の混入)が起こっていたり、移植した葉がそのまま黒くなり死んでしまったものもあったかもしれません。うまくいったものと比べて、一体何が悪かったのか、しっかりレポートで考察しておきましょう。セントポーリアの分厚い葉を押しつぶすように切っていた人、うまく引き切った葉、大きく切った人、小さく切った人、切った葉の移植がスムーズにできた人、時間がかかって葉が乾燥してしまった人・・・いろいろな人がいたと思いますが、この辺のこともよく思い返してみましょう。
ところで、4月に葉を切り取った元のセントポーリアですが、そのまま培養を続けているのが下の写真です。あえて土には移さず(順化させず)培養器の中で花を咲かせることを目標に、助手室で管理を続けています。うまく咲かせることが出来たら、また実習やこのブログで紹介します。
山本