6月16日と17日の2回の実習では、遺伝子組換え実験の基礎を学びました。オワンクラゲが持っているGFP(Green Fluorescent Protein)という緑色蛍光タンパク質をコードするGFP遺伝子を大腸菌に導入して、形質転換により“光る大腸菌”を作り出し、蛍光タンパク質の発現を観察しようというものです。資源生物科学科の3回生は(生命科学科は別日に実施しました)4月の初めの実習で「遺伝子組換え講習」を受けましたが、今回の実習では“従事者”に該当するので1時間の講習を受講する必要がありました。ようやくその時が来たと言ったところでしょうか。
16日の実習で大腸菌の形質転換を行いましたが、この時にGFP遺伝子と、アンピシリン(抗生物質)に対する耐性遺伝子をベクターとしてプラスミドを使って大腸菌に導入しました。今日は、LB基本培地と、アンピシリンを加えたLB培地、さらにアラビノース(単糖)を加えた培地で培養しましたが、しっかり違いが見られたでしょうか。通常の大腸菌(-DNA)はアンピシリン含有培地では生育しませんでしたが、形質転換した大腸菌(+DNA)はコロニーが観察できたのではないでしょうか。また、アンピシリンとアラビノースの入ったLB培地で培養した大腸菌のみ、紫外線の照射によって発光している様子が確認できたと思います。培地の違いによる大腸菌の生育の違いについては、今回どのようなプラスミドを導入したのかよくテキストを読み返して、レポート課題に取り組みましょう。
コロニーのチェックと形質転換効率の計算中
左から-NDA(-amp), -DNA(+amp),+DNA(+amp), +DNA(+amp, ara)
一番右側のみ紫外線照射で発光
山本