資源生物科学科(2023年から農学科)を志望する皆さんへ⑲ ~農耕地で炭素蓄積~

 我が国では,堆肥や厩肥を用いる習慣が古くからあり,現在も「土壌改良資材」として用いられています.しかし,堆肥は土壌中の微生物によっていずれ分解されてしまいます.近年,持続可能な農業の観点から土壌に炭素を固定する研究が進んでいます.私たちの研究室でも水質浄化剤資材(PAC)を使い,土壌改良効果を長持ちさせ,かつ,炭素固定を目指した「難分解性の堆肥」を作成する研究に取り組んでいます.作成した「難分解性堆肥」は,牧農場に埋設して,どのくらい効果があるのかを調査中です.埋設試験では,数百個のサンプルを作るため,準備は大変でしたが,現在,毎月,結果が出るのを楽しみにサンプリングしています.温暖化対策に貢献できると良いですね.

(土壌学研究室:森泉)

 普通の堆肥と難分解性堆肥をそれぞれ封入したサンプルを圃場に埋めて行きます(4月).