農作物を栽培すると病気が発生します。病気の元になるカビなどの病原菌の増殖を抑えるには、殺菌剤が有効です。しかし殺菌剤は万能ではありません。何度も使用していると効かなくなります。耐性菌の発生です。効率的に病気を抑えるためには、どのような殺菌剤に耐性菌がどれくらいの割合で発生しているかを把握することが必要です。
本研究室では、主に近畿地方の各府県から採取した病原菌を対象に耐性菌の発生状況を調査しています。今年の4年生(3月17日に卒業)は3名で、トマト、イチゴ灰色かび病菌と、イチゴ炭疽病菌の殺菌剤耐性状況を調べました。生産者や各府県の研究機関の方々にご協力いただき菌株を収集し、殺菌剤感受性検定を行います。最初はぎこちないクリーベンチ内の無菌操作も、卒論研究も終盤になると見違えるほどスムーズで正確になりました。結果を取りまとめ、最後に生産者に今後の対策などを提案しました。
(植物病理学研究室 平山)
殺菌剤感受性検定の様子
生産者への検定結果の説明