海外農業体験実習 ハワイ のプログラムの準備

 3月も卒業式の前となると、実験棟に出入りする学生の数も減ります。

そうした中で、次年度の教育プログラムを計画する動きが佳境を迎えています。

海外農業体験実習(ハワイ)は、これまでにこのブログでも何度かあげたことがありますが、ハワイ島(観光地のオワフ島ではありません)に行き、そこでの農産業を体験する学びです。農学部の4学科のそれぞれの教員が関係し、それぞれの視点から学びを深めるように工夫しています。

ハワイ島のホテルからの眺め

特にこの記事を書いている私の所属する生命科学科の視点では、ハワイで開発された遺伝子組み換えパパイヤ「レインボー」について、開発過程と栽培・販売までの住民をあげた激論の背景を事前学習で学んだ後に、現地での栽培の様子、流通の現場、実食をします。開発拠点となった研究所を訪ねもします。

レインボーパパイヤの生産者を訪ねる。ウイルス病が治り始めたので普通種の栽培も可能になってきたとのこと

圃場で、生産者自慢のパパイヤをいただきました

レインボー種の開発拠点だったUSDA研究所を訪問

農学科なら、火山島であるハワイの痩せた土地でも栽培できる、コーヒー(有名なコナコーヒー)産地を訪ね、小さな農園を経営する新規就農者を訪ねたり、日系一世の移民の苦しかったコーヒー栽培の生活様式を学んだり、UCCの中規模農園(といっても馬鹿でかい)を訪ねたりします。こうした農産物への線虫害の実際を見学します。

さらにこうした農業を始めた、日系移民の歴史や生活、それを支えた浄土真宗の寺院・墓地参拝など、内容は盛りだくさんです。

日系移民のパホア墓地に参拝しました

今年偶然担当いただいたNature ガイドの方が、特にハワイの自然に詳しい方で、火山島であるが故の成り立ちや、自生する動植物の紹介をしてくださいました。生態学・自然史といった分野でしょうか。担当教員ではカバーしきれないハワイの自然を教えてくれました。

こうした自然の上で人が土地を耕し農産物を収穫し生活しているのだなと実感できます。


溶岩流が木に当たって固まった溶岩の木、Lava tree。木のあった場所は空洞になっています。

コナに行く途中、山越のハイウェイを利用します。火山島であることが風景からわかります。

本年もこのかたにガイドしていただくことが決まりました。よく日本人の食の好みもご存知なので、肉から郷土食までバリエーション豊かに食の魅力を教えてくれるのも魅力です。
アメリカスタイルのBBQ
ハワイの郷土料理、里芋の葉で肉を包み蒸し焼きにしたもの。



このプログラムは1年生から4年生まで参加できます。英語に自信がなくても、英会話を無料で受講できるので、心強いです。

「先進国では農業と生活が離れすぎていて、つなげて理解することが難しい。ハワイくらいの適宜に田舎なところが、自然と農と人の生活のつながりがわかりやすいんだ。」というのが、この授業プログラムの開発者の退職した先生の言葉です。

この夏のハワイ、どんな実習にするか、どんな工夫をするか、ワクワクしながら準備しています。

(古本)