今年も農学科の3年生の実習が始まりました。私の担当回では昨年度、単為結果性を判別したトマトの栽培を行いましたが、牧農場の水はけの悪さにより多くの個体が根腐れしてしまいました。今年度はその対策として、一部のトマトを湛水に強いナスに接ぎ木することにしました。トマトとナスは種が異なりますが、同じナス科で接ぎ木することができます。
接ぎ木を行う時に台木が穂木より細いと良くないので、穂木より台木を先に播種します。今回はトマトの台木ではなくナスの台木なので、トマトとナスの成長速度の差も考えなければいけません。「まぁ、1週間くらいでしょう!」と言って台木の播種を行いましたが、実際にやってみるとナス台木の成長が思った以上に遅く、栽培条件を変えることでぎりぎり実習当日までに接ぎ木できるサイズになりました。
DNAマーカーによる単為結果性の判別実験から1週間後にトマトの移植と接ぎ木を行いました。実習前は早く終わりすぎることを心配していましたが、逆に時間がかかりすぎて途中で焦ってしまいました。野菜研の4回生もTAとして手伝ってくれて、なんとか全員分の移植と接ぎ木を終えました。今日で接ぎ木から1週間です。どんな結果になるかとても楽しみです。
野菜園芸学研究室 滝澤