新しい玄米の消費者評価調査を実施しました

私(山口)は、食品のさまざまな特性をバラバラにして経済的に評価するという研究を手がけています(REC BIZ-NET研究会での発表の様子アグリカフェで高校生向けに研究を紹介している様子)。今回のブログでは、いま実施しているJA滋賀蒲生町との共同研究についてちょっと紹介します。食料農業システム学科の研究の一端をお伝えできれば幸いです。

JA滋賀蒲生町は、主力産品であるお米について、かねてより業務需要への対応や輸出などの先進的な取り組みを進めてこられました。現在約700トンのお米を香港、台湾、シンガポールなどに輸出しておられますが、近い将来には1000トンの輸出を目指しておられます。

業務需要米・輸出米の品質向上にも取り組まれており、その一環として精米機メーカーの(株)サタケによるロングライフプロセス技術の導入を検討されています。これは玄米をスチーム処理することによって保存性を高める技術なのですが、この処理を施した玄米はあらかじめ水につけておかなくても炊けるという特性もあり、一般消費者向けの商品としての可能性も秘めています。そこで、一般消費者が「つけずに炊ける」という特性や「常温で長期保存できる」という特性を持つ玄米にどれくらいの価格づけを行うかを、選択型コンジョイント実験という方法で評価してみることにしました。この方法は、仮想的な特性の組み合わせによる複数の商品から回答者の方にどれを買いたいか選択してもらって、その結果から特性ごとの価格づけを推計するものです。

「お買い物実験」選択肢の例

2022年11月19日と20日の土日にわたって、東近江市で行われた2つの秋祭り(東近江農林水産まつり、いきいきあかねフェア)会場で、来場者に試食アンケートを実施しました。アンケートは学生アルバイトに協力してもらい、ロングライフ玄米というこれまでにない新しい玄米について説明してそのサンプルを試食してもらったうえで、仮想的な買い物実験アンケートに回答してもらいました。


東近江農林水産まつりでの調査風景


いきいきあかねフェアでの調査風景

コロナ禍もあって3年ぶりのお祭りということで、会場は両日とも大賑わいでした。2日目のいきいきあかねフェアでは、以前野菜の販売実習などでお世話になった(その時の様子その1その2)浅居さん(現東近江市議)が司会進行を務めておられて、われわれの調査への協力呼びかけもさせてもらえました。学生アルバイトは大活躍で、謝礼品として準備していた紅茶セットがあっという間に売り切れ状態になってしまうといううれしい悲鳴状態でした。

進行の浅居市議(右)の紹介で、学生アルバイトが調査協力を呼びかけています


2日間で総数190名の方からアンケートにご回答いただきました。収集したデータは現在鋭意解析中です。またいずれ何らかの形で結果をご報告できればと考えています。調査にご協力いただいた皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。(山口)

大活躍の調査補助アルバイト。お疲れ様でした!