前回2019年、「トウガラシが辛い理由」について、農学部開設にあたっての広報資料をもとに古本に当番組から出演依頼がありました。
その番組放送後、阪神大震災以来、連絡が途絶えていた近所の幼馴染の一家から実家に電話連絡が入ったと、母から聞かされ、この番組の影響の大きさを実感しました。
研究者としては、特段、トウガラシについて研究しているわけではありません。新しい研究テーマを模索する中で植物の温度感受性を研究し始める背景として、ヒトなどの動物の温度感受性の研究の歴史を辿り、その中でトウガラシの辛味成分カプサイシンが温感センサーに干渉することを知っていたにすぎません。この事実は2021年のノーベル賞対象ですので、面白さは一級でした。しかし、知り合いの研究者からは、私の専門とするC4光合成とは異なるために冷やかしを受けることもしばしばあり、その都度、冷や汗を流したものです。
放送後、担当のプロデューサーとのやり取りの中で、私の得意な(?)専門領域は「C4光合成」で、例えば夏の雑草が早く育つ仕組みを説明できる旨、お知らせしていたところ、今回、その内容での出演が決まりました。
台本へのいくつかの工夫を提言し、すでに野外での撮影を終え、それが19日と20日に放送されます。報道解禁が2週間まえとのことで、このブログにあげました。
雑草の話をするとしても、私は日本雑草学会の会員ではないとか、春の雑草は私の研究とは関係ないとか、道端の雑草の名前を即答できる知識は持たないなど、研究領域のど真ん中ではないことに少々の不安を感じますが、前回よりは積極的に良い番組になるよう提言できたと思っています。
前回放送以降、雑草を美味しく食べる食べ方をよくご存知の「なかひがし」さんと課外活動の一環で知り合いになりました。春の野草には美味しいものが多いので、中東さんにも協力いただき、番組を作成しました。予約が取れないことで有名な彼の野草料理をいただけたことは役得でした。
このブログを書いている時点で、どんな話になっているのか、誰がスタジオでの出演者なのか、私自身もわからぬことばかりです。うまく編集されて、わかりやすくなっているといいなと思います。
温かい目で、ご笑覧ください。
中東さんの店の前で
撮影場所の一つは大原でした
観光客や地元民の視線を感じつつ、河原で撮影、撮影される側の目線から
研究も食事も拳法も「体感すること」が大切かな
(環境生理学研究室 古本)