京都翔英高校の学生さんと採蜜

 ミツバチの群から蜂蜜を搾るのは、いつでもできるというわけではありません。春先に蜂蜜を採ってしまうと蜂の群が大きくなる勢いを失います。群を大きくするのと、花の時期とを勘案し、採る量が決まります。また、梅雨が明けると花が咲かない時期になりますので蜂蜜は採れなくなります。

一方で、大きく育ってきた群では、適切に採蜜しないと、産卵する場所を失い、蜂群には良いことではありません。ということで、いつ、どれほど採るか、を判断するのがちょっとしたギャンブルの要素もあり、養蜂の面白さの一つです。そして、今は、春の採蜜の最後の時期です。

実験用に育てている群が大きくなってきましたので、先週は、木曜日に瀬田キャンパス内のGLKキッチンスペースでキャンパス内の皆さんを対象に、引き続いて土曜日には京都翔英高校の学生さんたちを対象に、採蜜体験イベントを行いました。

個人的にお世話になっている高校の先生に声をかけ、興味がある学生さんを集めてもらいました。15名程度の方が集まってくれて、搾り、味わい、そして巣の様子を見てもらいました。

農学部での学びの面白いところは実際に体験できるところです。

採蜜の様子はテレビ番組やネットでも観れますが、実際に直に触れると感じ方も変わりますし、リアルな感触と、何よりとれたてのハチミツの味わいが五感を刺激するので、心の中からワクワクする気持ちが生じます。

六角形のハニカム構造も、その一部屋の底にチョンと置かれた産みたての卵も、新しい女王蜂の部屋(王台)も、見てみるとよくわかります。

刺されないのですか、なぜ煙をかけるのですか、怖くないのですか、何の花から蜜を集めているのでしょうか、など色々な質問をいただきました。








私の研究室での養蜂は、研究をベースにしたものですが、なかなか研究の方は進展しません。ですが、養蜂や植物栽培を通じて、不思議だなと思ったことを中心に深掘りしていくスタイルが、大学での研究活動の面白さの一つです。
その一面をちょっとでも実感してもらえたのではないかと思います。高校でのこれからの学びや、進路など、それぞれのこれからに活かしてもらえたらと思います。

(古本)