海外農業体験実習(ハワイ)3日目・4日目

 海外農業体験実習(ハワイ)3日目(8月28日)

ハワイの農業体験実習第3日目からはヒロでの活動になります。当初の予定では、この実習でいつもお世話になっているアメリカ農務省(USDA)太平洋流域農業研究センターのロクサーナ・マイヤーズさんとジョン・スズキさんの講演を聞くことから始まる予定だったのですが、今年はセキュリティ関係の変更があったとのことでUSDAの施設に入ることができなくなってしまいました。替わりにハワイ大学熱帯農業・人的資源学部の講義室を借りてお二人の講演、そして次の日の学生プレゼンテーションを行うことになりました。

 ジョンさんの講演は遺伝子組み換えパパイヤのお話の他、彼自身の研究や関心のある幅広い話題に及びました。これに対して学生たちもいくつか質問を行い、ジョンさんに丁寧に回答していただきました。あまりに質疑応答が続いたために講演時間が長引き、次の予定であるパパイヤ農園の見学の時間が迫り、ロクサーナさんの講演の時間がなくなってしまったのは非常に残念でした。

ジョンさん講演

  次はパパイヤ農園とパパイヤ箱詰め工場の見学です。目の前に広がる広大なパパイヤ圃場を前に、学生たちも「いったい何百本あるんだろう」と驚いた様子でした。農園管理責任者のイチマルさんにパパイヤ栽培の要点や問題点などを説明していただきました。お土産に完熟パパイヤをたくさんいただきました。

パパイヤ農園

パパイヤ箱詰め工場では従業員の方々が手際よくパパイヤを箱詰めしていました。箱詰めの前には厳しい品質チェックがあり、形の良くないもの、傷のあるもの、着色がそろっていないものは廃棄となり、かなりの数が廃棄されていました(もったいない…)。この工場から日本行きの商品も出荷されており、日本行きの箱がたくさん用意されていました。

パパイヤ箱詰

お昼になりましたので、途中のショッピングモールにあるファストフード的な中華料理店に入ったのですが、その量にびっくり! とても食べきれないくらいです。ただでさえ昨晩のディナーでたらふく食べているのであまりお腹が空いていない者も多く、目の前の大盛り料理を見て呆然とするばかりでした。

大盛りの昼食

 次の見学地は、毎回お世話になっているアンスリウム農園(グリーンポイント・ナーセリーズ)です。見学にはUSDAのロクサーナさんと、ハワイ大学の学生さんも3名参加してくれました。アンスリウムはハワイの代表する切り花で、色とりどりのアンスリウムが所狭しと並べられており、目にも鮮やかです。ここから世界中に向けて切り花が輸出されており、手際よく箱詰めされた商品が次々と出来上がっていました。

グリーンポイント・ナーセリーズ

 私たちの見学のために、タノウエ社長自らガイドしていただけました。わかりやすく、且つ、時にユーモアを交えて熱心に説明していただき、感謝の言葉もありません。

タノウエ社長

 いよいよ明日は英語プレゼンの日です。最後の仕上げをするべく、私の監督するチームの3名は、夜、ホテルの私の部屋に集合して練習会を行いました。出発前は全然練習ができておらず、どうなることかと心配していましたが、土壇場の頑張りで何とかものになってきていました。これなら明日は何とかなると期待が持てる仕上がりです。練習会の後、パパイヤ農園でもらったパパイヤを4人で食べました。ものすごく甘く、おそらく日本では食べられない、完熟したパパイヤでした。その糖分で3人ともぐっすり眠れたことと思います。

(農学科・岩堀)


 

海外農業体験実習(ハワイ)4日目(8月29日)

 ついに英語プレゼンの日がやってきました。この実習で最大の山場といっても過言ではありません。3チームがそれぞれプレゼンを工夫し、いかにアイデアを練ってきたかが問われる時です。午前中はホテルで最終調整を行い、中川先生の部屋で最後の発表練習を行いました。午後ホテルを出発し、昨日のハワイ大学の会場に再び向かいました。緊張が高まります。

醤油チーム

 最初のチームは、ハワイと日本の醤油の違いについて発表しました。それぞれの醤油の歴史、製法、風味の違いについてプレゼンを行った後、ロクサーナさんとジョンさんに実際にテイスティングしてもらい、その違いを実感してもらいました。お二人は「全然違う!」と驚いておられました。

醤油テイスティング

 次のチームは、ハワイと日本のアンスリウムの違いについて発表しました。栽培法、地域、価格、利用法について説明があり、最後に福島で行われている粒状プラスチックを土壌代わりにして栽培する方法について紹介がありました。ジョンさんもアンスリウムの栽培については実績をお持ちですのでいくつか質問されていました。

アンスリウムチーム

 最後のチームは、ハワイと日本の食用エビの違いについて発表しました。種類、産地、利用法の違いについて解説し、日本では普段の食用のほか、祝祭用にも使われるという文化的な違いについて説明がありました。イセエビ料理、そしてハワイ名物のガーリックシュリンプの写真は非常に皆の食欲をそそりました。

エビチーム

 今回の実習では3つのチームの発表を聞きましたが、どのチームも興味深い内容に仕上がっており、ロクサーナさん、ジョンさんからもお褒めの言葉を頂きました。私自身も知らなかった内容が多く、各チームともよく調べ上げたことに感心しました。出発前の状態からは見違えるような進歩があり、教員一同無事終わったことにほっとしました。

 プレゼンの後はカカオ農園の見学を行いました。当初はUSDAの研究施設見学の予定でしたが、先述のようにセキュリティ関係の変更でUSDAの施設に入ることができなくなってしまいましたため、ロクサーナさんにカカオ農園の見学を提案されました。カカオ農園では広い敷地内を電動カートに乗って移動。皆童心に帰ってはしゃいでいました。カカオがたくさん実った樹の前で従業員さんの説明があり、大きな実を割って中身を見せてくれたりしました。

カカオ農園

ふと気づくと樹の幹にカカオの花が咲いていました。これがあのような大きな実になるとは信じられないような小さな花でした。

カカオの花

 カカオの説明を受けた後は農園ショップに移動、チョコレートの爆買い大会となりました。

レストランでメニューを見ている人たち

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 この日の実習を終え、教員一同は夕食を共にしながら反省会を行いました。英語プレゼンという最大のイベントが無事終了し、安堵の気持ちで飲むハワイの地ビールはこの上ない美味しさでした。

(農学科・岩堀)

海外農業体験実習(ハワイ)初日・2日目

海外農業体験実習 ハワイ 初日(8月26日)

 2025年度のハワイ農業体験実習がスタートしました。関空から8時間30分かけて、一路、ハワイへ向かいます。ホノルルで国内線に乗り換えて、ハワイ島のコナへ行きました。

午後16時頃、最初の学習地はコナにある内田農園に到着。コナコーヒー農家のリビング・ヒストリー・ミュージアムと言えるところで、日本人がハワイに渡り多くのご努力の上、世界の三大コーヒーのひとつ、コナコーヒーを作り上げた歴史的経過を学ぶことができる貴重な建造物です。

当時の農具や作業庫を見せて頂きました。右に写っている動力機械は、調整作業に使っていたものですが、画期的に作業効率が上がったそうです。しかし、見ての通りベルトが向きだしになっているため、指を挟む事故が多かったようです。親指と小指を立て、他の指をしめる「シャカサイン」は、このような背景が起源だったそうです(諸説あり)。

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収穫したコーヒーを天日で干すのですが、雨が降ると干したコーヒーをすぐ取り込まないといけないため、屋根を加工してスライドできるように工夫されたそうです。女子の力でも簡単に取り込めるので、たいへん便利な装置を考案されました。

バーで飲み物を飲んでいる人たち

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1925年に建てられた内田農園の母屋は、居間、書斎、子供部屋、寝室などがあり当時のまま保存されています。屋根はトタンなので日中は、室内温度が上がったようです。また洗濯場、お風呂、トイレは母屋の外にあり、水は貴重な資源であり天水を大きな瓶に貯めて、少しずつ使っていたそうです。当時のコーヒー農家の生活は過酷であり、男性は夜明け前から日が落ちるまで、コーヒーの収穫作業をし、女性は男性より早く起き、みんなの食事、弁当を作り、男性を送り出し、その他家事をすませ、コーヒー収穫も手伝い等をされていたそうです。女性に寝る時間はあったのでしょうか。

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木々の黒い影

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内田農園のあとホテルへ向かうのですが、大気が非常に澄んでいるので、夕日が大変きれいでした。私は見られませんでしたが「グリーンフラッシュ」(日没直前の数秒間、太陽のふちが緑色に輝く光学現象)が見られたそうです。

(中川@食料農業システム)

 


 

海外農業体験実習 ハワイ 2日目(8月27日) 

海外農業体験実習第2日目は、ヒロの「村松小農園」からスタートしました。無農薬、有機栽培のコーヒー園(7.9エーカー(約3.2ha))をご夫婦と数名の方で経営されています。今年コーヒーの収穫体験をさせて頂きました。

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今年度は参加学生が増えたので、たいへん賑やかな収穫体験実習になりました。米や麦と異なり、コーヒーは収穫後、精選→乾燥→脱殻→選別となります。収穫と精選を同時にしますが、どの豆を収穫するかピッカー(コーヒー豆を摘む収穫者)の認識を揃えておかなければなりません。

草の上に立っている男性たち

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アラビカ・ティピカ種のコーヒー豆を1粒、1粒、摘んでいきます(ハンドピック)。学生は初めてコーヒーを収穫するので、時間がかかっておりました。収穫した赤いコーヒー豆の皮を取ると、白い実が出てきます。この実は食べると甘いですが利用せず、果実を取り除きコーヒー豆になります。村松さんたちは、8月から12月まで長期にわたり収穫しています。

草の上に立っている女性たち

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 村松さんの農園はコーヒーだけでなく、200本以上のカカオも栽培されています。白い実の中にカカオ豆があり、食味体験をさせて頂きました。白い実は甘いものの、カカオ豆は苦く、チョコレートの原料になるまでにいくつかの工程を踏まなければなりません。

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収穫体験後、村松さんのコーヒーをおいしく頂きました。龍谷大学農学部10周年記念事業(10/25瀬田キャンパス)で提供予定ですので、是非、ご賞味ください。岩堀先生と黒いTシャツを着た学生の後ろに、バナナが生っておりますが、これがたいへんおいしい。日本に来るバナナは実が熟す前に出荷されるので、それほど糖度がのりません。本来のバナナを食べたというのが、感想です。

キッチンで料理をしている人達

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次にコーヒーの焙煎体験のため、UCCコナコーヒー農場に訪れました。焙煎の程度をライト、ミディアム、ダークだけでなく、自分の好みに煎ることができます。日本の店頭で販売されているものは、ダークに近いと思います。ミディアムからダークへの時間は1分もありません。体験することで焙煎は難しいことが、よくわかります。 

扇風機の上にのせ焙煎したコーヒー豆を急速に冷却することで、好みの焙煎状態を維持することができます。 

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次にシーソルト・オブ・ハワイでナチュラル・シーソルトづくりを学習しました。ハワイ島沖(水深670メートル)の深海から海水をくみ上げ、5ミクロンのフィルターで濾過し、3週間かけて自然蒸発させて塩を採取します。マグネシウムやカリウムなど各種ミネラルが豊富に含まれている塩で、店頭で売られている食塩より塩分が約30%少ないことが特徴です。

テーブルを囲んでいる人達

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シーソルトの食味をすると、しょっぱいというより甘く感じます。トマト、きゅうり、果物にもたいへんよく合います。この後、コナからマウナ・ケア山とマウナ・ロア山の間を走り抜ける道路(ダニエルK.イノウエハイウェイ)を通ってヒロへ移動しました。

(中川@食料農業システム)