食料農業システム実習(高島)

 2024年6月22日〜23日に、食料農業システム実習(高島)を受講する学生13名と教員1名が実習先の高島市マキノ町森西地区を訪問しました。この実習はコロナ直後から実施していて、今年で4年目になります。森西がどんなところかについては、ぜひ過去の実習記事をご参照ください(2021年度その1  その2  2022年度その1 その2)。

今年度も最初に食料農業システム学科卒業生が就職しているみなくちファームを訪問して、里山を利用した循環型農業の取り組みについて学びました。みなくちファームが創業当初から手がけておられる原木椎茸の原木は、地元のクヌギなどの広葉樹で、昔は薪炭林としても重要な役割を果たしていました。エネルギー源が石油に変わり、里山の資源も利用されない時期があったのですが、最近では新たに薪としての利用も増えていて、木の取り合いのような局面もあるそうです。みなくちファームでは植林にも取り組んでいて、40年先を見据えた循環型農業の取り組みのお話に学生は強く関心を惹かれた様子でした。(みなくちファームのみなさん、ありがとうございました!)

メモをとりながら話を聞きます

森西区に移動してからは、棚田と稲山隧道の取水口を視察しました。険しい道でしたが、受講生は楽しんで?移動していました。

稲山隧道取水口付近にて

2日目はこの実習のハイライトで、森西区で毎年この時期に行われている普請作業に参加しました。この普請は地区の22世帯全戸から人が参加して、水路の泥揚げや草刈り、電気柵周りの手入れなどの地域資源維持管理活動を行うもので、棚田の景観や農業生産を支えるために不可欠な作業です。

排水路の草刈り

あいにくの雨模様でしたが、学生は汗びっしょり・泥だらけになりながらそれぞれの持ち場で現地の方々の指導を受けて作業に励んでいました。

休憩中に田屋城跡から1枚

作業後はマキノ高原温泉で汗を流して、再び森西に戻って地域の農家レストラン(ミネモリサンチ)で経営者の峯森さんからお話を伺いました。子や孫に食べさせられるものをと思って取り組み始めた無農薬栽培で、豚肉や一部の調味料を除くほとんどの食材を自家製で賄っているそうです。珍しい野菜や芋をたっぷり試食させていただき、みんな満足の様子でした。

塩、胡椒、油、豚肉以外は全て自家製

4種類の芋


今年はちょうど梅雨入りのタイミングで、天候に非常に気を揉む行程でしたが、幸い視察の時間帯はほとんど雨が降っておらず、2日目の地域資源管理活動への参加時は断続的に雨に降られたものの、現地の方々のサポートもあって事故なく安全に作業を終えることができました。区長の峯森様、棚田担当役員の水口様をはじめ役員、区民の皆様にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。

最後に、現地役員の方からいただいた短歌を共有します。

棚田には学生たちが汗流し草刈り泥あげ学びの眼差し 6月23日   棚田にて

(山口)

1日目の夕食風景:いい表情してますね!