新入生歓迎の遠足を行いました(生命科学科)

 生命科学科では今年もたくさんの新入生を迎えました。4月3日に入門ゼミクラス単位での交流会を行ったあと、4月5日には新生命科学科新入生一同で牧農場への遠足を行いました。食の循環実習で(研究室によっては卒業研究等でも)お世話になる龍大の付属農場ですが、実習ではバス移動のため、実際に歩いて行く機会はほとんどありません。新入生同士や教職員との交流も兼ねて、この機会に農場の周りの環境にも触れてもらおうとの企画です。よく晴れた日で、とても爽やかな遠足日和になりました。

自己紹介中の古本先生

まずは11時半に9号館1階ロビーに集合です。授業開始前でしたが、各クラスごとにすでにちらほら話せる知り合いも増えてきたようです。今年は入学式の運営の都合もあって、新入生が学科教員と顔を合わす機会がありませんでしたので、学科教員の簡単な紹介を行いました。学科主任の古本先生は残念ながら挨拶のみでしたが、クラス担任以外では打本先生が一緒に遠足に参加してくださいました。

牧農場へと向かう道中

瀬田キャンパスから、隣のびわ湖文化公園を抜けて、県立東大津高や滋賀ダイハツアリーナを横目に木々の中を抜け、ところどころ満開の桜や、牧地区に入ると田畑が広がり、満開の菜の花畑も多数目にしながら1時間弱の道のりでした。

漫談お話中の吉村先生

牧農場では農場専門技術助手の吉村先生に、牧農場や周辺の地区の紹介をしてもらいました。いつ聞いても面白い語り口で、彼の歯に衣着せぬトークに新入生もびっくりしたかもしれません。彼をはじめ、農場助手の先生方には循環実習で散々お世話になりますので、よく覚えておいてくださいね。また、去年に引き続き、今年も生命科学科の研究室に所属する4回生や修士1回生の先輩らも一緒に参加してくれてました。新入生にいろいろな話をしてくれたようで、彼らから学科の雰囲気も伝わりましたかね?


牧農場での様子(右上;新入生に話をしてくれている修士1回生)

その後、クラスごとにお昼ご飯を食べて、来た道をまた歩いて帰ります。帰る頃にはクラスごとにすっかり打ち解けた様子でした。往復2時間強の遠足でしたが、入試でなまった体にいい運動になったんじゃないでしょうか?(若い学生さんはともかく、一部の教員は翌日以降、筋肉痛で大変でした)

帰り道ですっかりみんな仲良し

事故もなく、迷子も出ずに瀬田キャンパスで無事解散です。新入生の皆さん、お疲れさまでした。楽しい大学生活を過ごしてください。また、一緒に参加してくれた在学生のみなさん、打本先生、そして現地で対応してくださった吉村先生ら農場の先生方、どうもありがとうございました(もちろんクラス担任の先生方も)!

牧農場横の桜


(別役)


植物病理学会・植物生理学会で学生が発表しました(生命・別役研)

 令和6年度日本植物病理学会大会(3/13-3/15@仙台国際センター)と第65回日本植物生理学会年会(3/17-19@神戸国際会議場)で、別役研の学生が研究成果の発表を行いました。別役研が龍谷大に異動して以来、初の学生による学会発表になります。長かった。。

仙台での植物病理学会では、M2の北田剛くん(演題;N抵抗性遺伝子の温度依存性を制御する分子機構の解析)とM1の神野椰直くん(演題;アシベンゾラルS-メチル処理によるシロイヌナズナPR-1活性化の時空間的解析)がそれぞれ口頭発表を行いました。「学会での発表には責任も伴うんだよ」ということを口酸っぱく諭したせいか、細かい間違いなどないように、発表スライドや話す内容の確認にギリギリまで頑張っていたようです。その甲斐あってか、二人とも(発表後の質疑応答では少し緊張した様子も見られましたが、)それぞれ堂々とした態度で無事に発表を終えることができました。

発表が終わって笑顔?の二人

普段、研究室では他大学との研究交流会なども頻繁に行なっているので、二人とも比較的研究発表には慣れているはずなのですが、やはり初の学会発表ということでとても緊張していたそうです。そのせいか、せっかくの仙台で、冬の味覚が美味しい時期の出張にも関わらず、あまり美味しいものも楽しめなかったようです。ごめんね、怖がらせすぎちゃって。。


神戸の植物生理学会では、M1の神野椰直くん(演題;Towards revealing the regulatory mechanism underlying the characteristic WRKY33 activation pattern in Arabidopsis immunity)がポスター発表を行いました。ポスター発表は口頭発表とは異なり、より深掘りした議論ができる場ではありますが、発表する側は次から次に、それぞれの興味で聞いてくる聴衆を相手にするのでそれなりに大変です。

聴衆に囲まれて質問攻めの神野くん(緑矢印)

彼の発表中に何度か見に行きましたが、常に複数の聴衆に囲まれていて汗だく状態のようでした。また演題を見てもわかるように、こちらの学会は発表資料は英語が基本で(今年は台湾やUSAからの参加者も受け付けていました)、準備も大変ですし、突然英語で質問されることもあって、両方の学会で発表した彼にとってはとても良い経験になったのではないでしょうか?


「研究」はただ実験をやって終わりではなく、その成果を考察して、まとめて、学会や論文などで発表するところまでやって「研究をやった」と言えるものだと思います。このサイクルを経験すると、突然、視界が広がって伸びたりします。今回、発表した二人が、このあと、どんなふうに伸びるのか、周りにどんな影響を与えるのか、とても楽しみです。また、神戸の学会は近隣での開催だったため、別役研から学部3回生と4回生の学生も聴講に参加していました。頑張ってた先輩や他大学の学生の発表も見て、「次は自分たちが!」と思って頑張ってくれたらいいのにな、と思います。


発表した学生の感想

「本学会体験は、新たな知識の獲得だけでなく、他の研究者との交流や議論を通じて、自分の研究や考えを深める機会となりました。」

「初めての学会発表で至らぬ点もありましたが、発表がきっかけで他大学の人と交流を深められて楽しかったです。」

「ポスター発表で同世代の研究者と自分の研究をディスカッションする時間が楽しかったです。」


(別役)



【生命科学科・実習シリーズ】 島先生

 生命科学科では3年生前期の月曜・火曜の午後の時間を使って実習が行われます。

担当する先生の研究分野や座学の専門科目を反映した内容となっており、2年生の実習より専門的な内容になります。

実験内容が複雑になるため、班員と力を合わせて要領よく作業を進めなければなりません。

また、班の実験結果を考察して発表する回もあり、コミュニケーション力・問題解決力・プレゼンテーション力が鍛えられます。

皆さん、半年間頑張りましょう!

4年度3年生は植物生命科学科所属のため、実習も「植物生命科学実習」となります

 

 

第一回目の島先生の実習では、微生物用の液体培地の作成と、酵母・および乳酸菌の培養を行いました。

液体培養された酵母。一晩の培養で透明だった培地が濁っています。


分光光度計を使って測定した濁度(「だくど」と読みます。どれだけ濁っているかを表します)の結果と、生菌数の関係を調べます。

濁度には、生きている菌も死んでいる菌も区別なく合算された値が測定されます。

どうすれば生菌数がわかるでしょうか?



同じ実験を、酵母と乳酸菌の2つで行うことで、真核生物(=酵母)と原核生物(=乳酸菌)のサイズの違いを考察しました。

 

更に、必要な栄養素を抜いた培地をつくり、酵母の生育がどう変わるのか調べました。



班員でコロニーの様子を観察し、微生物の種類による違いや栄養性状を考察しました。

試薬の秤量や無菌操作、プレーティング、など微生物を扱う際の実験技術も復習できました。


                                                                                               (辻村)

農学科の教員紹介とクイズ大会

 419日(金)の入門ゼミで、農学科の新入生と教員が一堂に集まる交流会を開催しました。前半は教員紹介を行い、期待を抱いて学生生活をスタートさせる新入生に、先生方から自身の大学時代の体験談などを交えて熱いメッセージが送られました。これから始まる学生生活、充実したものになることを願っています。


後半は恒例のクイズ大会。毎年スライドのレイアウトがバージョンアップしており、その完成度の高さに驚きました。クイズは農学部ならではのかなり専門的な問題でしたが、思った以上に正解率が高かったのではないでしょうか。これから講義や実習の中で知識や経験を積んで、卒業するころには全問正解できるように勉強に励んでください。


(平山)







農業生産科学モデルの修士論文報告会が行われました(2024年2月)

 昨年度の話になりますが、2024年度2月2日に、2023年度の農業生産科学モデルの修士報告会が行われました(修了生のみなさん、遅くなってごめんなさい。)。


例年通り、研究科長の島先生の挨拶に始まり、14名の修士2回生がそれぞれの研究テーマに関してその集大成の発表を行いました。

発表者に向けてのメッセージを述べられる島研究科長


昨年度から人数も大幅に増え、朝から夕方まで長丁場になりましたが、2年間にわたる(学生さんによっては学部での卒業研究から3年間以上の研究テーマですし、今回は長期履修生もおられました)研究成果を聞くことができ、14名それぞれの達成度や成長を確認することができました。

今回、修士論文報告を行なった14名

農業生産科学モデルは、農学部の生命科学科と農学科に相当する研究室から構成されることもあり、両学科が一堂に会する貴重な場でもあります。今回、聴講した数多くの修士一回生や学部生にとっては、普段聞く機会の少ない話も聞けてとても充実した時間だったと思います。

講評を述べられる平山先生、岩堀先生、竹中先生(左から)

最後に大学院の研究担当の平山先生、そして農業生産科学モデルに学部レベルで相当する農学科の岩堀先生、生命科学科の竹中先生から、今回の発表に関して講評をいただいて無事に終了しました。


今回発表した学生さんたちも、ちょうど今頃はそれぞれの新しい職場や進学先等での活動が始まったところだと思います。本学農学研究科農業生産科学モデルの修了生として、ぜひ本学で学んだ知識や経験を活かして皆さんの道を切り開いていってほしいと思います。みなさんの益々のご活躍を祈念しています!


(別役)

フィールドシーズン始まりました

 4月も半ばを過ぎ、フィールドシーズンが始まりました。今日は、京都大学生態学研究センターで、ミズナラの苗を植えました。この研究は、修士の学生さんの研究テーマで、地上部と地下部における植物間コミュニケーションです。

150本という数でしたが、研究室の皆さんが手伝ってくれたので、2時間足らずで植え終わりました。

今後は被害調査や葉の質を明らかにするための化学分析を行っていきます。結果が楽しみです。                                (文責 塩尻)





2期生の研究がVestaの雑誌に載りました

 塩尻研、2期生の研究「ハチミツの味」が、食文化誌Vesta134号に掲載されました。

この研究では、ハチミツの味が、何に由来するものなのかを、1)花によるもの。2)食べる前に知る情報によるもの の2つに着目して調査しました。

ハチミツの味は、花の種類によって香りが異なってくることは明らかになったのですが、実際の花の香りとの相関はみられず、花の香りがハチミツの香りに直結するわけではないことが分かりました。

ハチミツの官能試験では、ハチミツの種類によって、さっぱり感や花の香りの強さ、また糖度は同じでも甘みの強さの感じ方が異なることもわかりました。また、この官能試験では、試食前にハチミツの花の種類とgあたりの値段を提示した場合と、しなかった場合とで比較しました。結果、情報の有無によって酸味の感じ方が変わることが明らかになりました。



PS. 誌面の他、電子書籍(Amazon Kindleauブックパス等)でも読めるそうです。

                                 (文責:塩尻)




日本作物学会第257回講演会で発表しました(生命・小野木研)

32829日に三重大学で行われた日本作物学会第257回講演会において、当研究室(生命データ科学研究室)4年生の大河内翔巳さんがポスター発表を行いました。演題名は「ダイズの開花期における温暖化の影響」でした。

発表後にポスターの前で

 植物にとっていつ開花するかは、植物の環境適応に大きな影響を与えます。農業においては、その地域でいつ開花するかを予想しながら、栽培する品種を決定したり、いつ播種するかを決定したりします。また品種改良においては、標的とする地域で、いつ開花すればよいのかを考慮する必要があります。

 作物の開花期は温度や日長の影響を強く受けるため、地球温暖化の影響を強く受けます。しかし日本のダイズ品種において、温暖化が開花期に与える影響を、網羅的に調べた研究はありませんでした。そこで本研究では、温度と日長をもとに開花期を予測する数理モデルを用いて、温暖化する将来、ダイズの開花期がどのように変化するかをシミュレーション研究で明らかにしました。

 その結果、温暖化が開花期に与える影響は、品種によって傾向が大きく異なることが分かりました。例えば、ある品種群は地域によって開花期の早まり度合いが大きく変わる一方、別の品種群は地域によってあまり傾向が変わらない、といったことが分かりました。また播種期が早いほど、生育期間が延びる分温暖化の影響を強く受けることや、温暖化による開花期の早まりが、20502060年あたりで頭打ちになること、などが分かりました。

 大河内さんはpythonRを使いながら、このシミュレーション研究をしっかりとやり切りました。学会では45分間のポスター発表でしたが、終わってみると「あっという間でした」とのこと。学部生で学会発表することは大変なのですが、頑張っていたと思います。お疲れ様でした。

質問をしてくれた方に熱心に説明している様子

小野木