卒業式が行われました

 3月17日に龍谷大学農学部の卒業式が行われました。


心配された天候も何とか雨が降らずにすみ、つつがなく卒業式が進みました。瀬田キャンパス体育館で全体での式典ののち、各学科に分かれての行事が続きます。植物生命科学科では、学科主任の浅水先生のお話のあと、各種表彰が行われ、研究室ごとの卒業証書等配布が行われました。


必要な手続きが済んだ後は、研究室ごとや友達同士といったように、教員・学生が入り乱れての写真撮影大会です。ようやくマスクをしない顔も見ることができるような時期になってきました。


今年の4回生は、2〜4回生という3年間をコロナ禍で過ごした学年です。コロナ禍以前の大学生と比べて、いろいろと失ったもの、未経験のこともあるかもしれません。しかし、物事が急速に変化する激動の時間をこの多感な時期に過ごしたことで、失ったもの以上の貴重な経験を積んだ学年だとも言えます。たった4年前にはごく一部の特殊な事例を除いてほとんど存在しなかったオンラインでの授業やミーティング等に対しても、もはやこの卒業生らは当たり前に対応できるようになっており、社会人としてのスキルも上がっています。

こんな時期に本学で貴重な経験を積まれ、見事、この卒業の日を迎えられた皆さんが、この先、それぞれの進路でご活躍されることを教員一同願ってやみません。生命のこの学年は本学大学院への進学予定者も多い学年ですので、進学組の大学院でのさらなるご活躍も楽しみです。

何かと暗い話題が続いた世の中ですが、コロナ禍対応も終息を迎えつつあり、明るさを感じるようになっています。自然と将来への期待が膨らむ中ですが、皆さんの人生にも幸多きことを祈っています。ご卒業おめでとうございました!

(別役)



カメムシ研究会で応用昆虫学研究室修士2年の阿南君が発表

2023年3月30日、カメムシ研究会がオンラインで開催されました。「カメムシ類等難防除害虫の発生状況と防除対策に関する研究会」で、毎年1回、大学、公立試験研究機関、独立行政法人などの研究者が集まり情報交換をするもので、今回も86人が集まりました。基礎的な生態から防除に関するものまで15題の発表がありました。阿南君は、現在取り組んでいる「クモヘリカメムシの天敵ヤドリバエの種と寄生率の推移」について発表しました。ヤドリバエのクモヘリカメムシへの産卵部位、クモヘリカメムシ幼虫に対する寄生の有無、クモヘリカメムシの生息場所と寄生率の関係など、沢山の質問があり、今後の研究について有用な情報を得ることができました。 
(応用昆虫学研究室 樋口)

植物防疫所の見学

 多細胞免疫動態研究室(別役研)では、植物と微生物の相互作用を研究しています。


こういった分野は、一般には植物病理学と呼ばれ、農作物を病害から守るための研究分野です。この研究分野ではみなさん、いろいろなやり方で農作物を病害から守ることに挑戦しているのですが、別役研では特に植物と微生物の相互作用のしくみを明らかにするという基礎的な研究をおこなっています。実験ではほとんど野外に出ることのない研究室ですが、実際にどのような植物病害が世の中では問題になっていて、どのような対策が講じられているのかを知っておくことはこの分野を学ぶ学生としてとても重要だと思います。そこで、折に触れてそのような現場に触れる活動を行なっています。


国内の農業生産を病害中から守るための重要なステップとして、国際空港等での検疫という作業があります。今回は、関西空港に置かれている神戸植物防疫所関西空港支所を見学させていただく機会を得ました。当日は別役研の中でも植物防疫所での仕事に興味がある3・4回生6名と、同様に植物防疫所に興味がある塩尻研の学生1名の計7名で訪問しました。


参加者一同、関西空港支所(合同庁舎)の入口で


当日は、植物防疫所職員の方々のご厚意で半日程度のお時間をとっていただき、施設はもちろん、実際の検疫作業の様子、病原微生物や害虫の同定作業のようすを見学させていただきました。さらに見学後は職員の方々に質問させていただくお時間も頂戴し、参加学生からも業務内容から職場環境まで多岐にわたる質問が出て、職員の方々からさまざまお話を聞かせて頂くこともできました。


コロナ禍も収束しつつあり活気を取り戻してきた関西空港駅ですが、派手な空港の裏側という普段は行かないような(そもそも特別な許可と案内がなければ立ち入れない)場所で、黙々と国境での検疫作業を行なっておられる現場を見学させていただくという貴重な機会になりました。参加学生も、植物の病害を防ぐという仕事の意義や将来の可能性を考える良い機会になったかと思います。最後になりますが、今回の見学をご対応いただきました、神戸植物防疫所関西空港支所の皆さまに、貴重な機会をいただいてどうもありがとうございました!


(別役)



農学科(2023年度より資源生物科学科から名称変更)を志望する皆さんへ㉞ ~RNA-seq~


RNA-seqは次世代シーケンサーを利用した網羅的な遺伝子発現の定量方法の一つです。以前は次世代シーケンサーの配列決定コストが高額で、得られた解析データはUNIXコマンドラインでの作業が必要となり、敷居が高いという印象がありました。しかし近年になって受託解析の費用が下がってきたので、私たちの研究室でも実験植物であるタバコのRNAサンプルを用いて、RNA-seqの受託解析を依頼してみました。RNAサンプルを送付してから1カ月強で解析完了の連絡があり、サーバから解析データをダウンロードしました。データ解析は、ウェブ上で動作するGalaxyという開かれたシステムを利用することで、UNIXコマンドラインを用いずとも様々な解析ツールを実行することができます。Galaxyを用いたウェブサイトは数多く存在しますが、私たちは農研機構が運営しているGalaxy/NAACを利用しています。このようなサービスを利用することで、高性能なPCがなくても膨大なデータの解析をウェブ上で実行できるようになりました。

IGV
タバコゲノムにマッピングされたシーケンスリードをIGVゲノムブラウザで表示している

(植物育種学研究室 三柴)

2022年度NOPPOアグリゼミでの学び

 2022年度も農業界と大学生をつなぐ取り組みをされている(株)NOPPOのアグリゼミ(オンライン勉強会)に金子ゼミの学生達は積極的に参加してきました。金子ゼミの南部くんに学びや気づきについて聞いてみようと思います。

―――――――――――――――――――――――――――――――

NOPPOアグリゼミとは、2020年のコロナ禍に始まった株式会社NOPPO様主催のオンライン勉強会で、月に2回行われ、「農業」をテーマに勉強をします。

2022年度は「日本酒と米」「麦~家庭から世界まで~」「GAP(農業生産工程管理)」など、農業に関係する幅広いテーマを勉強してきました。

ここでは、金子ゼミ3年生がゼミ活動の一環で参加した1月のアグリゼミ(テーマは「コーヒーの2050年問題」)の内容を紹介します。

1月14日アグリゼミの1回目では、ゼミ運営メンバーからコーヒーの基本的情報から現在の状況、コーヒーの代用品、2050年までの課題や対策方法など、様々なことを勉強させていただきました。


1月21日アグリゼミ2回目では、コーヒーの栽培をされている岡山市の「やまこうファーム株式会社」の山本様と江本様からお話を伺いました。

私が印象に残っていることは、稼げる農業を目指す意思についてです。

代表の山本様は稼げる農業を目指すため、熱帯植物の栽培に目を向けます。
そもそも熱帯植物の栽培は日本の気候上、沖縄などの暖かい地域以外での栽培が難しく前例がないため、断念するのが現実だと思います。

しかし、山本様はパパイヤやバナナ、コーヒー等の熱帯植物の栽培に尽力されました。数年間、何度も失敗し、試行錯誤を重ねられ、凍結解凍覚醒法という方法でコーヒーの有機栽培に成功されました。

2020年に設立されたやまこうファーム様では、コーヒー豆を収穫・販売するだけでなく、コーヒー農園やコーヒーの木のオーナー制度をとることで、日本中でコーヒーの普及を行う事業を展開されています。

私は誰も思いつかないことに自ら足を踏み出す勇気や信念が大切であることを学びました。また、農業は農作物の収穫を待つ必要があるため、成果がすぐには現れません。だからこそ、我慢強く耐えるメンタリティーも必要だと感じました。


私は、2022年度は土曜日朝9時からのアグリゼミに、眠気を我慢してでも積極的に参加してきました。その理由は2つあります。

1つ目は、ゲスト講師が魅力的であること。

私が参加した回では、例えば株式会社クロスエイジ様、株式会社サラダボウル様、有限会社百笑会様、トータスファーム様など、農業に携わる多種多様な分野で活躍されている方達からお話を伺えました。

ゲスト講師からは、考え方であったり、物事に対する解決方法を教えてもらい、多くの刺激を受けました。

2つ目は、コミュニケーション能力を高められること。

NOPPOアグリゼミは他大学の学生や社会人が参加されており、様々な人と話す機会があります。そのため、初対面の方への自己紹介、グループワーク、話し方などを意識する必要があります。グループで話し合った内容を全体に発表することもします。この経験は、就職活動や大学でのプレゼンテーションの際においても役立っています。

私はNOPPOアグリゼミにたくさん参加したお陰で、ここでは書ききれないくらい多くのことを学び、人としても一回りも二回りも大きく成長させていただきました。

最後に、このような機会を作ってくださった株式会社NOPPOの福本様、本当にありがとうございます。興味のある方はぜひ参加してみてください。(南部)

―――――――――――――――――――――――――――――――

お世話になりましたNOPPOの福本様、アグリゼミ運営メンバー、参加者の皆様、ありがとうございました。(金子)