ゼミガイダンスを実施しました

2020年11月27日、食料農業システム学科2回生を対象に、ゼミ分属に関するガイダンスを実施しました。


食料農業システム学科の学生は、農学部のなかで唯一3回生前期から各教員の研究室に分属し、ゼミでの学びをスタートさせます。最近の当学科のブログ投稿でも、新型コロナに対応しながらさまざまなゼミ活動が行われている様子が投稿されています(最近の投稿1投稿2投稿3投稿4投稿5投稿6投稿7投稿8投稿9)。


ガイダンスのひとコマ


現2回生は、これから研究室を回るなどして希望のゼミを選んでいきます。われわれ教員も、気持ちを新たに受け入れ準備を進めていきます。(山口)


京都・伊根町でのフィールドワーク

中川ゼミでは、コロナ禍のなか、対策しつつ、ゼミ生が自主的にフィールドワークを行なっています。今回は、3回生の2名(蜂須賀・三好)が2020年11月24日、ゼミ活動の一環として丹後半島の北東部に位置する京都府与謝郡伊根町にてフィールドワークを行いました。

以下、参加学生からの報告を紹介します。

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まずは道の駅「舟屋の里伊根」を訪問しました。土産物店では、名物「筒川そば」や地元伊根町で水揚げされた旬の魚を加工、販売していました。傍の展望台からは重要伝統的保存地区である舟屋群を一望することが出来ました。

道の駅の外観

店内の様子

舟屋の遠景

フィールドワークの様子

次に伊根町で捕れる食材調査として、「鮨割烹海宮」で「舟屋御膳」を食しました。店内は連休明けの平日にも関わらず、多くの観光客で賑わい、日本海を眺めながら名物ぶりしゃぶを楽しんでいるようでした。


内容はカサゴの煮つけや、
旬のブリ・タルイカ・ヤガラなどの造り、
アカモクの吸い物など


その後、舟屋「幸洋丸」に向かいました。伊根の舟屋は基本的に個人の所有物ですが、ここでは舟屋内部の見学が可能です。中にはかつて使われていた漁具や写真、地図が展示されており、伊根町の歴史を学ぶことが出来ます。
また、「もんどり」という地元の漁具が海に設置されており、引き上げてみると中にはたくさんの魚が捕獲されていました。

舟屋「幸洋丸」の中

実際にもんどりを引き上げてみました



伊根町の唯一の造り酒屋「向井酒造」では、女性杜氏が作る日本酒が土産として人気です、
特に古代米で作られた「伊根満開」はフルーティーな飲み口で、女性の方にも親しまれているそうです。

向井酒造の外観


ゼミでの試食用に1本購入しました


最後に伊根湾を周遊する遊覧船を体験し、観光面について学習しました。
伝統的な舟屋群についてのガイドを聞きつつ、陸からとは異なった視点で伊根町を見ることが出来ました。

観光客が投げるえさを求めて
多くのカモメやウミネコが集まる

今回実際に訪問して気づいたことは、伝統的景観である舟屋群は単なる観光地ではないということです。

そこには、舟屋を活用して暮らしている地元住民がおり、その協力の元、観光業が成り立っています。実際に町を歩くことで得られた今回の学びを、今後の発表に活かしていきたいと思います。

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中川ゼミでは、実際に現場に行き、その様子を学生自身が感じることを重視しています。
12/5には鳥取大学とのオンライン合同ゼミで、こうしたフィールドワークの成果を報告する予定です。(中川)

近畿大学総合社会学部との交流ゼミ

 11月7日(土)、竹歳ゼミでは近畿大学総合社会学部藤田ゼミとのオンライン交流ゼミを実施しました。

瀬田キャンパス4号館の(大)ゼミ室に集まった竹歳ゼミ生と、近畿大学東大阪キャンパスの実習室に集まった藤田ゼミ生が、各自のPCからZoomにログイン。

竹歳ゼミからは、「食品トレーから見るプラスチックごみ問題」「営農型太陽光発電を増やすためには」「営農型太陽光発電の収益性」のテーマで、藤田ゼミからは、「新しい生活様式における大学生の旅行意向」「マスクが環境を汚染する可能性」「オラ移住すっぞ!地方と都市を繋ぐ地方創生大チャンス!!」のテーマで、それぞれ3グループずつプレゼンテーションを行い、龍大側のプレゼンには近大側から質問とコメントを、近大側からのプレゼンには龍大側からの質問とコメントを出す形で交互にプレゼンと討論を行いました。

双方のゼミで学んでいる内容には環境問題・地域問題という共通点がありますが、それぞれの学部で学んでいる内容には違いがあり、いつもとは違う観点からのプレゼンや質疑にお互いよい刺激をもらったことと思います。最後に、オンライン上ではありますが、懇親会の時間を持ちました。それぞれの大学やゼミでの様子を話し合って、(予想以上に?)話が弾んだように見えました。

今後もこのような他大学のゼミと交流の場を設けられたら、と考えています。(竹歳)





京都・美山町でフィールドワーク

中川ゼミ3回生の3名(北郡・蜂須賀・三好)が2020年11月20日、ゼミ活動の一環として、京都府南丹市美山町にてフィールドワークを実施しました。

参加学生からのレポートをシェアします。

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まずは道の駅「ふらっと美山」を訪問し、美山町の農産物や土産品、地元食材を使った加工品などを実際に目にし、手に取ったり購入したりしました。

          

道の駅 ふらっと美山の外観

店舗内の様子


次に、美山の特産品とされるそばが提供されている「もりしげ」さんに伺い、地鶏から取れただし巻き玉子から山椒、茶そばなど美山の食材を味わうことができました。

築100年のかやぶきの民家をそのまま利用するなど、「あるもの」の価値を再発見する仕組みがあるように感じました。




美山かやぶきの里・北村では、観光客に向けた看板が設置されていたり、ガイドツアーなども行なわれているなど、地元住民の方々が協力しながら地域づくりが取り組む様子を知ることができました。


かやぶき屋根の家々が立ち並んでいます


最後に、管理者である京都大学の許可を得た上で、芦生の森の散策に向かいました。美山町の方々が守り続けている森林の美しさを感じ取ることが出来ました。


美山町に実際に訪れたことにより、文字だけの学習では感じ取ることができなかった雰囲気やその自然の豊かさなどを肌で感じることができ。とても良い機会となりました。

道の駅や各店舗で出会った地元の方々はみなさん暖かく、素晴らしい町であることを再確認したと同時に、フィールドワークによって得たものを今後に生かしていきたいと思いました。

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コロナ禍のなか、対策をしながらの初のフィールドワークとなり、学生たちも多くの学びがあったようです。(中川)




たった一つのアミノ酸の変化で別の酵素に?!

 当研究室では,酵素の働く仕組みについて研究しています.ある特定の酵素は決まった化学反応を触媒します.酵素は,アミノ酸がつながったタンパク質からできていますが,一つ一つのアミノ酸には意味があるようです.今回は,ヒスチジンからヒスタミンを合成するヒスチジンデカルボキシラーゼの活性中心のチロシン残基をフェニルアラニン残基に変えるような変異を起こさせました.この変異させた酵素は,本来はヒスタミンを合成する酵素でしたが(図の右向きの反応),アセトアルデヒドを合成するようになりました(図の左向きの反応).不思議ですね.Archives of Biochemistry and Biophysics693 (2020) 108551に掲載.

(生化学・応用微生物学研究室,植野)

クッリクして拡大してください。






酪農家による6次産業化の取組みをフィールドワークしました

2020年11月23日、落合ゼミの選択参加型フィールドワークで、3回生2名が滋賀県竜王町の古株牧場を訪問しました。

古株牧場は、酪農と乳製品開発の取組みによって、2019年に「農林水産大臣賞(6次産業化部門)」、2020年に「農林水産祭天皇杯(多角化経営部門)」をそれぞれ受賞されています。 日本各地でナチュラルチーズ生産者が増加する中、滋賀県産の個性的なチーズとして、湖華舞」ブランドの各種チーズが注目を集めています。


ゼミ生はチーズ、バター作り体験コースに参加しました。古株さんが講師となって、乳利用できる家畜の種類の広がりや、牛乳からチーズやバターができるしくみを解説してくださいます。

今回は、最初にフレッシュチーズ、モッツアレラ・チーズ、ストリング・チーズの3種類を作り、続いて生クリームから乳脂肪を分離してバターを作りました。ゼミ生はわからないことが出てきたら質問を投げかけたり、途中のプロセスを撮影をしたりしながら、作業を進めていきます。

モッツアレラ・チーズを成形しているところ。
自分でやってみて初めて、タイミングの見きわめと思い切りが大切だとわかりました。

最後に、できあがったチーズとバターを試食します。自作の味と香りに大満足のゼミ生たち。しぼりたての牛乳とホエイ(乳清)やバターミルクの飲みくらべは、普段はなかなか実現できません。貴重な機会です。

酪農について、また、乳製品をめぐる食文化やフード・ビジネスについて、最先端の取り組みを現場で学ぶ有意義な時間になりました。ご協力をいただきました古株牧場のみなさんに、心より御礼申し上げます。(落合)











鳥取大学・地域学部とのオンライン合同ゼミ

中川ゼミでは11月17日に、鳥取大学地域学部の大元ゼミと合同ゼミを開催しました。

当初の予定では、9月に鳥取県智頭町での合同フィールドワークを行う予定でしたが、新型コロナウイルス流行の影響より、宿泊を伴うゼミ活動を断念せざるを得ませんでした。

そこで、オンラインで合同ゼミを企画しました。

まずは教員から企画の趣旨や研究紹介を、その後、学生がお互いの関心をシェアをし合い、交流しました。


Zoomでの交流の様子


初対面、しかもオンラインということで不安があったようですが、地域づくり、環境、食、観光などキーワードが重なることがわかり、次第に場の雰囲気もほぐれていきました。

「本番」は12月5日です。学生たちはこれから、それぞれの発表準備を進めていくことになります。

学外でのゼミ活動が制限されてしまうなか、お互いの関心やこれまでの活動内容をシェアし合うことによって、参加者には良い刺激となりました。(中川)

養蜂 秋の作業

 寒くなり、一年を通して行っていた養蜂も冬ごもりの準備となりました。餌となる糖分を与えているので、蜂群は元気です。

都市養蜂の可能性を研究されている同志社大学の服部先生がお越しになり、一緒に蜂の様子を確認しました。今、維持している3群のうち一群は、同志社大学に来春、引っ越すことになっています。

作業としては、産卵の様子を確認する他、巣の板を少なくしぎゅうぎゅうと詰まった状態にします。

作業する学生も2年目となり、随分上手くなりました。

動画もアップしますので、集合恐怖症でない方は、見てください。動画の最後の方に女王を確認できました。

(古本)

https://youtu.be/HYIk17XyUVE





土壌細菌の遺伝子を利用して農作物の根を改良する

 

 土の中にはたくさんの種類の微生物がいます.土壌細菌(バクテリア)のアグロバクテリウムもその一つです.植物を遺伝子組換えする時に,遺伝子の運び屋として使われることで知られている,あの細菌です.この仲間には,植物の根に感染して,より多くの根を発生させる種もいます.発生した根を毛状根と呼びます.英語では,hairy rootと言います.毛のような根という意味ですね.

 私たちの研究室では,日本国内に生息するこの細菌が持っているrol遺伝子(根を出させる遺伝子という意味です)を農作物に導入することを試みています.つまり,根が多くなって養水分の吸収に優れる作物ができないかとか,根量をより多くして根で生産される有用な物質が大量に取れないかとか,まさに粘り(根張り)強く挑戦を進めています.

 上の写真は,マメ科作物のラッカセイの毛状根です.葉にこの菌を感染させるとこのように葉から根が出てすぐに分岐します.下の写真は,キク科作物のルドベキアの毛状根から再生した植物体の根です.左が毛状根由来の植物です.遺伝子を導入していない右の植物に比べると,発根が旺盛だということがわかりますね.まだ,限られた植物種でしか再生に成功していませんが,研究室の学生達が新たな植物で日々試みています.

(作物学研究室 大門)

ラッカセイの幼植物の葉から発生した毛状根

ルドベキアの毛状根から再生した植物の旺盛な根系(左)

ゼミの3、4回生交流会を開催しました

 2020年10月20日昼休み、落合ゼミでは恒例の3、4回生交流会を開催しました。例年は学外の飲食店に出かけていますが、今年は感染症対策のために4号館315演習室で実施しました。

     企画運営は3、4回生の世話人が担当。おやつのサービスもありました

前期に対面できなかった3回生からは、ゼミ活動や就活について、どんどん質問が出されます。

上級生の余裕で、ていねいに質問に答え、アドバイスしていく4回生。

就活を記録したフィールドノートを見せてもらう場面も。リアルな情報が役立ちます。

楽しい時間になったようで、第2回交流会を開いて欲しいという声がすでにあがっていますが、それは4回生の卒論完成後になりそうです。(落合)








オンライン授業での学び・学生も先生も一生懸命

   現在、農学部の多くの講義がオンライン授業となっています。私の担当する「線虫学Ⅱ」もまたオンライン授業で、履修生約100名に対してリアルタイムで講義を行っています。

 毎週パソコンに向かって90分間話をするのですが、通信容量を考えて学生さんにはビデオを切ってもらっています。そのため、私は学生さんの顔の見えない画面に向かって話しています。当然対面授業と異なり、学生さんのリアクションが分かりません。私の話していることがちゃんと伝わっているのだろうか? 非常に悩ましい思いです。そこで、manabaでレポートを出し、毎授業後に感想や質問を書いてもらうことにしました。字数は自由です。私としては、ちゃんと声が届いることが確認できたらいいぐらいの気持ちでした。

 ところが! 学生さんたちの感想や質問は毎回10ページにも及び、非常に熱心に講義を聞き、しっかり内容を理解していることが分かりました。素朴な疑問や鋭い質問があったり、感じたことを気さくに書いてくれたりと、学生さんの生き生きとした気持ちが伝わってきました。

10ページもの感想や質問

 学生さんがこれだけ書いてくれるのだから先生側もこれに応えるべきと思い、感想や質問の中からいくつかピックアップし、回答をmanabaにアップして返すことにしました。どれくらいの学生さんが回答を見てくれているのかはわかりませんが、閲覧確認を見てみますと60~70名ぐらいの人が見てくれているようです。これにも驚きでした。

感想や質問への回答

 コロナ禍で始まったオンライン授業、学生さん同士のつながりが薄れ孤独になったり、キャンパスに通えないことから大学生としての実感が失われてしまうなどのデメリットがありますが、一方で、先生の話を集中して聞くことができる、録画を見て何度も聞きなおすことができる、通学時間が節約できるなど、学生さんにとってメリットと感じる点もいくつかあるようです。オンライン授業がいつまで続くのかわかりませんが、なるべく一方通行にならないように心がけていきたいと思っています。(応用線虫学研究室:岩堀)

卒論締め切りまで、35日!

 植物生命科学科の卒論(特別研究)の締め切りは、12月24日。

あと35日、と気がついて、焦り始める学生たち。

がんばれ。

(古本)



京料理店でフィールドワークをしてきました

 2020年11月16日、落合ゼミの選択参加型フィールドワークを京都市上京区の「京料理萬重」で実施しました。

この日は4回生5名が参加し、会席料理コースを実食。萬重若主人田村圭吾さんのご説明をお聞きしながら、京料理の味と京料理店のしつらいやもてなしを体験しました。


入店直後に手指の消毒をする、ソーシャルディスタンスを保って着席するなど、感染症対策が十分にとられています。換気のために開け放たれた障子からはお庭がよく見えました。

ゼミ生は、季節のお料理のおいしさをかみしめながら、食材の選び方や組み合わせ方、調理法、盛り付けなどを学んでいきます。食材の中には、人生で初めて食べるものがたくさんありました。さらに、社会に出てから困らないように和食のマナーも教えていただました。


実食終了後には、質疑応答の時間を設けていただきました。京料理について、また卒論のテーマに関連した事柄について、田村さんに質問するゼミ生たち。いっぽう、田村さんからは、日本の食の将来について重大な問いが投げかけられました。


フィールドワーク全体を通して「文化としての食」を現場で体験し、深く考える貴重な時間となりました。
ご協力をいただきました萬重のみなさま、田村圭吾さまに心より御礼を申し上げます。(落合)


基礎実験、開始しました

 休講措置をとっていた実験実習、再開しました。

今日は、顕微鏡の使い方、タマネギ表皮細胞の観察、カナダモの原形質流動の観察です。

三密を避けて、実習しています。

高校生物の復習のようですが、実際に自分で観察すると、驚きます。細胞レベルで「生きている」ことを実感できます。

こうした基礎の顕微鏡観察技術が、より高度な研究技術の習得のためには、大切です。

(古本)




植物生命科学科の教員間の学び合い

 植物生命科学科では、教員が互いに研究内容を話し合う時間を設けています。本日は、山形先生の研究内容をオンラインで伺いました。

 オンラインだとファイルの共有などがスムーズだったり、データの確認がしやすいなどのメリットがあります。
 いろいろな先生の成果をうかがえるだけでなく、その先生がもっている研究技術などについて情報をえることができるのもうれしいことです。新しい技術を自分の研究に導入するのは結構勇気のいることですが、隣の研究室に類似の研究技術があるというだけで、ずいぶんと導入へのハードルが下がります。


 これまでの職場では、隣の研究室の先生が何を研究しているかわからない、なんてことはよくある出来事でした。それではもったいないですよね。

 みんなで、知識を共有し、研究を楽しみたいと思います。



(古本)

温室だより サツマイモの花

 サツマイ(Ipomoea batatas)は南米原産のヒルガオ科サツマイモ属の植物です。食用としての一般的な利用のほか、芋焼酎の原料としても利用されています。最近は、葉っぱを野菜として利用するサツマイモや花壇などに利用される葉が美しい観賞用のサツマイモまであります。ところで、みなさんはサツマイモの花を見たことがありますか?短日性植物であるサツマイモは気温が高い環境で短日にならないと開花しないため、日本では沖縄を除くとほとんど見ることができません。日本では開花しにくいことがサツマイモの品種改良の妨げの一つになっています。ところが、同じサツマイモ属のキダチアサガオにサツマイモを接木すると日本でもよく開花するようになり、この性質を利用してサツマイモの交配が行われています。龍谷大学農学部の温室で2種類の観賞用サツマイモの花が開花しましたので紹介します。(植物資源学研究室 神戸)

           緑・ピンク・白の3色の葉が観賞用サツマイモ

          ライムグリーンの葉が美しい観賞葉のサツマイモ


イギリスの農業と文学について執筆しました

18-19世紀にイギリスは(第二次)農業革命を経験したと言われています。この時代の新農法は、それまでの伝統農法を好んだ小農には歓迎されなかったものの、現代では環境負荷が小さい、サステナブルなものとして再評価されています。なんだか不思議な話ですね。

私は自然や環境をテーマにした文学作品とエコ意識との関係性について研究しているのですが(環境批評という研究アプローチです)、農業は本来的には環境破壊行為とみなされうるため、この分野ではあまり論じられることがありません。

そこで、私が主に研究しているエコ詩人W・ワーズワス(1770-1850)が、地元(湖水地方)の農業の近代化についてどのように考えていたのかを作品から探ってみようと思いました。その分析内容を論文にまとめたもの「ワーズワスの中期作品における農業と持続可能性」が、文学・環境学会より先月無事に出版されました。詳細は佐々木までお問い合わせいただければと思います。(資源生物科学科 佐々木)

イネカメムシの越冬場所

 水稲やダイズを加害するカメムシ類は、成虫で越冬する種が沢山います。しかし、成虫の越冬状況や越冬場所については、ほとんど明らかにされていません。最近、水稲で発生が増え被害が報告されているイネカメムシについても同様で、越冬場所については、1950年代に数例報告されているだけです。その内容も、土の中に潜っているとか、標高の高い場所に移動して越冬しているというようなものでした。応用昆虫学研究室第2期生は卒業研究でこの課題に取り組み、越冬しているイネカメムシ成虫を確認しました。イネカメムシの成虫は、水田畦畔の枯れたイネ科植物の株元や、雑木林内の日当たりの良い草地の枯れたイネ科植物の株元で越冬していました。このイネカメムシの成虫については、春の餌植物や生息場所についてもほとんど分かっていません。応用昆虫学研究室では、これらの点についても研究を展開していく予定です。(応用昆虫学研究室:樋口)

「ビタミン・バイオファクターとプラスチック」市民公開講演会開催

「ビタミン・バイオファクターとプラスチック」というタイトルの市民公開講演会をお世話します.
石油成分由来のプラスチックは環境問題を起こしています.新しい概念で作られるバイオプラスチック(生分解性プラスチックも含みます)は天然物である「食素材」から「醗酵」という概念で作られます.そこには,微生物のもつ酵素の力が働きます.酵素のほとんどは,ビタミンやバイオファクターの力がないと機能しません.ビタミンやバイオファクターは直接・間接的に重要な役割を担っているんです.(応用微生物・生化学研究室:植野)